当初は仕事の都合で、開演の17時半に有明コロシアムに到着するのは無理と考えていましたが、関東地方に降った大雨の余波が良い方向に働いて、17時には会場に到着できました。何の話かというと、前回写真だけ挙げてお茶を濁した「アンダーアーマー2017 トム・ブレイディ・アジアツアー」の続きです。
ただし雨の影響は客の入りに影響を及ぼしたようで、会場の観客は全座席の3/8くらい(下の写真は筆者が入場した直後なのでもっと入場者はもっと少ない)。開始が後で1時間遅かったら、あるいは山手線内のアクセスがいい場所なら、もっと集まったのかもしれません。正直、最初は「日本のNFLファンでBradyに関心にある層はこんなものかよ」と不安になる観客数でした。ただ有明コロシアムはテニスコートなので会場がコンパクトで、だいぶ後ろの席からもBradyの姿をはっきり見られました(筆者は300ミリの望遠レンズを持って行ったので、よく見えましたよ)。
Bradyは中国経由で日本入りだそうで、この気象で飛行機は遅れたとのこと。乗ってきたのはプライベートジェットかどうかは定かではありませんが、北京と上海の後に東京に立ち寄ってくれたのは、日本でのさらなる市場拡大を目論むUnder Armourの思惑があってのことでしょう。
Bradyがグラウンドに現れたのは17時半過ぎ。MCを担当する「イッツゴーン(It’s gone)!」でおなじみの近藤祐司さんによる前説により、「MVP」コールでBradyを呼び込む格好になりました。
Brady自身の最初のコメントによると、日本に来るのは実は二度目で27年ぶりとのこと。どうも12歳の時、野球選抜で日本に来る機会があったようです。
今回のイベントは、日本の次世代の高校、大学生に、ブレイディ選手自らがQBのファンダメンタルをレクチャーするというもの。Bradyは当初はQBにパスを投げさせて「Good」など声を送っていましたが、そのうち我慢できなくなったようでビシバシパスを投げるようになりました。
投げたパスにはさすがのスパイラルがかかっていて、力を入れたスローはレシーバーの手をはじくほど。中国で万里の長城を訪問した疲れを感じさせない、プロ意識を見せてくれました。
そうした指導の中、Bradyは具体的なNFLのQBの名前を一人だけ挙げました。さて、その名前はというと...やっぱりManningでしたね。もちろん自分を2回もSuper Bowlで破ったEliの方ではなくPeytonでした。やはりBradyにとって、常に意識するライバルはPeytonなんだなあとちょっとうれしくなりました。
ちょっとここで横道にそれますが、先日、「Brady vs Manning: The Untold Story of the Rivalry That Transformed the NFL」という書籍を入手しました。筆者は購入してからまだ第1章しか読んでいないのですが、Peyton ManningとTom Bradyのライバル関係についていろいろ書いてあります。
読み終えた冒頭の部分だけ紹介すると、二人の最初の会話は2001年シーズンのWeek3、Foxboro Stadiumで戦われたIND@NEの試合の前に、PeytonがBradyに挨拶をしに行ったとき。このシーズン、NEの開幕時点のQBはDrew Bledsoeでしたね。しかしBledsoeがWeek2のNYJ戦で負傷し、その試合をリリーフして先発QBの座を得たのがBradyでした。
書籍には、当時NFLで4シーズン目を迎え、スーパースターとなっていたManningが、初の先発となる試合直前のBradyに自己紹介した様子が書かれています。そのとき、Bradyはどう感じていたんでしょうね。これも正直な記述があります。
もう一つ横道にそれると、2017年3月にPeytonは米国の某社のイベントにゲストとして登壇しています。その時にManningは選手時代に数多くのヒットを受けた、選手の具体名を挙げています。残念ながら名前を挙げたのはライバルQBではなく、自分に襲い掛かってくるDEFの選手だったのですが、それはいったい誰でしょう。あえて答えは書きませんので、この動画の7分40分頃を見てください。
さて、Bradyに話を戻すと、現場には息子も連れてきていました。歳のころからして長男のJohnのよう(写真に写っている赤い半ズボンの男の子)ですが、嫁のGisele Bündchenは(来日がニュースになっていないところを見ると)帯同していなかった模様です。
1時間前後の指導の最後に学生たちに片膝をつかせて(夢を追い続けろ的な)訓辞を垂れた後、小学生二人とボールをかごに投げ入れるチャレンジを楽しみました。遠くにあるボールケースに向けて3本ずつボールを投げる。Bradyは20ヤードくらいで、小学生はもっと近いというハンデ付きでしたが、3本目にしっかりボールを投げ込んで会場を沸かせるあたりはさすがスーパースターでした(下の写真は3本目。真剣に投げている様子が分かります)。
これだけのイベントでしたが、無料で生Bradyを見られたわけですから、ノー残業デーを行使して会社を抜け出した価値は十分ありました。筆者はBradyのファンではありませんが、こうしたNFLイベントがもっとあればいいのにと思います。
今回のイベントを開催したUnder Armourには感謝しています。チャラい芸能人やNFLについて聞きかじっただけのアイドルなどを引っ張り出すことなく、淡々と学生の指導を公開するというイベントを演出したことを評価しているのです(イベントのお土産は下の写真の入場券だけ。直営店に行けば3割引きだそうな)。
それほど大げさな告知をしたわけではなかったようで、客の入りは(当日の雨のせいもあり)どちらかというと寂しい方でした。しかしBradyをもってしても「Giseleの旦那であるスポーツ選手」といわれる方が知名度が高いとされる日本。そこでUnder Armourが目指したのは自社ブランドの確立であり、自社のブランドの商品を買ってくれるファンを増やすことでした。つまり、分かってくれる人に分かってもらえばいいという戦略。「アスリートを進化させる」というのがアンダーアーマーのミッションだとすると、大金を使ってジャミングになる芸能人とかのファンを呼ぶ必要はありません。
Touchdown Proが休刊となり、GAORAがNFL放送から撤退するなど、日本のNFL業界には逆風が吹きまくっています。今回のイベントも、スーパーボウルを5度制覇したスーパースターが来日する割に地味という見方もできるでしょう。それでも玄人狙いのイベントにしたことは、同社への好感度アップに効果があったと思います。
最後に、観客が少なかったせいもあり、筆者の写真撮影(自席から通路まで降りて、より近いところで写真を撮りまくった)をとがめられることもありませんでした。300ミリレンズではこれが精一杯でしたが、よい写真を撮れたことも付け加えておきます。
2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語りますのでよろしくお願いします。
AFC東 | BUF | バッファロー・ビルズ | NFC東 | DAL | ダラス・カウボーイズ |
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MIA | マイアミ・ドルフィンズ | NYG | ニューヨーク・ジャイアンツ | ||
NE | ニューイングランド・ペイトリオッツ | PHI | フィラデルフィア・イーグルス | ||
NYJ | ニューヨーク・ジェッツ | WAS | ワシントン・レッドスキンズ | ||
AFC北 | BAL | ボルティモア・レイブンズ | NFC北 | CHI | シカゴ・ベアーズ |
CIN | シンシナティ・ベンガルズ | DET | デトロイト・ライオンズ | ||
CLE | クリーブランド・ブラウンズ | GB | グリーンベイ・パッカーズ | ||
PIT | ピッツバーグ・スティーラーズ | MIN | ミネソタ・バイキングス | ||
AFC南 | HOU | ヒューストン・テキサンズ | NFC南 | ATL | アトランタ・ファルコンズ |
IND | インディアナポリス・コルツ | CAR | カロライナ・パンサーズ | ||
JAX | ジャクソンビル・ジャガーズ | NO | ニューオリンズ・セインツ | ||
TEN | テネシー・タイタンズ | TB | タンパベイ・バッカニアーズ | ||
AFC西 | DEN | デンバー・ブロンコス | NFC西 | ARI | アリゾナ・カーディナルス |
KC | カンザスシティ・チーフス | LAR(旧STL) | ロサンゼルス・ラムズ | ||
OAK | オークランド・レイダース | SF | サンフランシスコ・49ers | ||
LAC(旧SD) | ロサンゼルス・チャージャース | SEA | シアトル・シーホークス |
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