Week13でPITがシーズン初の敗戦を喫し、11勝1敗でKCと勝ち星で並びました。しかし、現時点のPlayoff Pictureを見ると、PITがKCよりも上。これっていったいどういうことなんでしょう。
もちろんAFCもNFCも上位のチームが崩れ、現時点で5敗または6敗のチームが首位に並ぶことは計算上は可能です。ただここまで掘り下げるときりがないので、本原稿では各Conferenceの上位チームに絞って考えます。
今、思い出しましたが、このタイブレークルールを元に大相撲の優勝力士を考察した記事を書いたことがあります。これはこれで面白いのでご興味がある方はご覧ください。
ということで、最新のConference tiebreakersを調べてみました。出展はNFC.comのNFL Tiebreaking Producersです。今見ると、条件が大相撲の記事を書いたときと少しだけ変わっていますね。
まず各Divisionでの首位を決めた後、こんな条件で優劣をつけます。
- Head-to-head, if applicable
- Best won-lost-tied percentage in games played within the conference
- Best won-lost-tied percentage in common games, minimum of four
- Strength of victory
- Strength of schedule
- Best combined ranking among conference teams in points scored and points allowed
- Best combined ranking among all teams in points scored and points allowed
- Best net points in conference games
- Best net points in all games
- Best net touchdowns in all games
- Coin toss
前提となる各division内で1位になっているかについては、今のところPITとKCに優劣はありません。1.は直接対決の勝者ということになりますが、PITとKCに今シーズンの直接対決はありませんからこれも優劣ナシ。
ところが2.が引っ掛かります。KCは同一ConferenceのLVに敗れているのに対し、PITが敗れたのは他ConferenceのWAS。PITは現時点でConference内で全勝ですから、ここでPITがKCより上ということになるわけです。
この後の2チームの対戦相手を見ると、PITは@BUF、@CIN、IND、@CLEでこの4チームの現時点の勝率は59.4%と非常に高い。これに対して、KCは@MIA、@NO、ALT、LACで勝率は52.1%で、PITほどではありませんがそれほど楽ではありません。
ただPITは同一Conferenceが4試合残っており、対戦相手はJoe Burrowを欠くCINを除くとどれも強敵。しかも同地区のBUFとCLEがアウェーなのが気になります。
KCは勝ち越しているMIAとNOとの対戦が重要になります。PITと並ぶには、MIA戦に負けると痛いのが2.の条件(同一Conferenceの勝率が下がる)で分かるかと思います。言い方を変えればNOに敗れても、PITがどこか1試合で負ければ、同一Conferenceの勝率では並ぶわけですから、それなら許容範囲なのかもしれません。
もし2チームが2.の条件で並ぶと3.の条件となるわけですが、これは4試合(games)以上の共通の相手の成績です。調べてみると、PITとKCの2020シーズンの共通の対戦相手は、HOU、DEN、BAL、BUFの4チーム。KCは4チームから勝利(5試合全勝)ですが、PITはこれまでの3チーム(4試合)は全勝ですが、Week13にBUF戦が残っています。
PITがBUFとの試合で敗れると、2.の条件にも3.の条件にも厳しいということになります。例えば、KCがWeek15のNO戦に敗れて(残り全勝で)、PITとKCが14勝2敗で並んだとすると、2.の条件では優劣が付かないとしても、PITは3.の条件でKCを下回ってしまいます。
ただPITがBUFに勝ち、敗れるのがINDまたはCLEだったとした場合は、KCがWeek15のNO戦に敗れて(残り全勝で)、PITとKCが14勝2敗で並んだとしても2.の条件でも3.の条件でも差は付きません。
まとめていうと、PITもKCもWeek14のアウェーの試合が重要ということですね。PITがBUFに負けられないのと同じくらい、KCもMIAに負けられないことになります。
ここで並ぶと、その次は4.の条件となるわけです。これは負かしたチームの勝率を計算するものなのですが、もう少し試合が進んでからでないと面倒になるので、現時点ではやめておきます。
ではNFCに目を転じて、筆者が応援するGBはどうなのでしょう。
現在のFirst Round Byeは2敗のNOでそれを追うのが3敗のGBという構図です。ただしWeek02でGBがNOに勝利しているので、NOとGBの勝ち星が並んだ場合は、1.の条件によりGBがFirst Round Byeとなります。
ただ、AFCと違ってNFCは、LARとSEAが4敗という1敗差で3位と4位につけています。この両チームはWeek16で直接対決があるので、これに勝った方がNOとGBに並ぶ可能性があります。もしそうなった場合は3チームで下の条件で比較となります。
-
Head-to-head (best won-lost-tied percentage in games among the clubs)
-
Best won-lost-tied percentage in games played within the division
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Best won-lost-tied percentage in common games
-
Best won-lost-tied percentage in games played within the conference
-
Strength of victory
-
Strength of schedule
-
Best combined ranking among conference teams in points scored and points allowed
-
Best combined ranking among all teams in points scored and points allowed
-
Best net points in common games
-
Best net points in all games
-
Best net touchdowns in all games
-
Coin toss
そうなると1.はNO、GB、LACまたはSEAで試合をしていない組み合わせがあるのですが、試合をしているという意味で言えばGBは1勝、NOは1敗。LACまたはSEAは0勝0敗です。この条件が適用されるのか、直接対決がないからこの条件がスルーなのかは筆者には分かりません(ご存じの方がおいででしたら教えてください)。
もし1.の条件がスルーされると、2.の条件、つまり同一Divisionでの勝率ですが、これはNOが5勝0敗で最終戦の@CARを残すだけ。GBは3勝1敗で@DETと@CHIを残しています。
LACとSEAは2勝2敗ずつでLARは@SEAとARIを、SEAはLARと@SFを残しています。どちらも混戦のDivision内で2敗ずつを喫しているので、どちらが勝ち残ったとしても2.の条件ではNOの上に立つことは厳しそうです。とすると2.の条件ではNOが有利ということです。
こんなことを考えられるのも、今日がWeek14が始まった日曜日で、日本時間の金曜日に試合を終えたNEとLACを除く30チームが4試合を残しているからですね。
これから先の白熱した終盤戦を楽しみましょう。
2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語ります。
AFC東 | BUF | バッファロー・ビルズ | NFC東 | DAL | ダラス・カウボーイズ |
---|---|---|---|---|---|
MIA | マイアミ・ドルフィンズ | NYG | ニューヨーク・ジャイアンツ | ||
NE | ニューイングランド・ペイトリオッツ | PHI | フィラデルフィア・イーグルス | ||
NYJ | ニューヨーク・ジェッツ | WAS | ワシントン・フットボール・チーム | ||
AFC北 | BAL | ボルティモア・レイブンズ | NFC北 | CHI | シカゴ・ベアーズ |
CIN | シンシナティ・ベンガルズ | DET | デトロイト・ライオンズ | ||
CLE | クリーブランド・ブラウンズ | GB | グリーンベイ・パッカーズ | ||
PIT | ピッツバーグ・スティーラーズ | MIN | ミネソタ・バイキングス | ||
AFC南 | HOU | ヒューストン・テキサンズ | NFC南 | ATL | アトランタ・ファルコンズ |
IND | インディアナポリス・コルツ | CAR | カロライナ・パンサーズ | ||
JAX | ジャクソンビル・ジャガーズ | NO | ニューオリンズ・セインツ | ||
TEN | テネシー・タイタンズ | TB | タンパベイ・バッカニアーズ | ||
AFC西 | DEN | デンバー・ブロンコス | NFC西 | ARI | アリゾナ・カーディナルス |
KC | カンザスシティ・チーフス | LAR | ロサンゼルス・ラムズ | ||
LAC | ロサンゼルス・チャージャース | SF | サンフランシスコ・49ers | ||
LV | ラスベガス・レイダース | SEA | シアトル・シーホークス |
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