夏休みということもあり、筆者はブログを久々に更新しただけでなく、NFLにまつわる映像作品も鑑賞しています。今回はNFL絡みの二つの映像作品を基に、NFLの運営に関わるファミリーについて話してみます。
まず、レポートが遅れましたが、2018年版の「All or Nothing」について。ご存知の通り、今回は2017年シーズンのDALを追っています。
All or Nothing: The Dallas Cowboys - Official Trailer | Prime Video
この番組をを知らない、という方のために説明すると、Amazon Primeが2016年から毎年公開している、あるチームの1年間のドキュメンタリーです。約45分×8話で構成しており、2016年は2015年シーズンのARIを、2017年は2016年シーズンから2017年ドラフトまでのLARを取り上げていました。カメラはチームの監督室やロッカールームまで入り込むため、普段は表に出ないファクトが満載となっております。
形としてはAmazon Primeだけでしか見られない特典映像ということになっています。日本語の字幕版が米国から数カ月遅れで公開されるので、日本のNFLファンにも見ごたえがあるコンテンツと言えるでしょう。というより、NFLを追った月刊誌が昨年なくなり、日本語のNFL情報が激減した中で必見のコンテンツといえるかと思います。一昨年と昨年のコンテンツもまだ鑑賞できるので、ぜひAmazon Primeに加入して鑑賞しましょう(ってAmazonの回し者ではありませんが)。
筆者はやっとエピソード2までこぎつけたところですが、ちょっとだけネタバレをすると、今年のAll or NothingはDALのオーナーであるジェリー・ジョーンズの映像から始まります。DALを取り上げる以上、名物オーナーのジェリーから始まるのはお約束のようですね。
ご存知の通り、2017年シーズンのDALは、優勝候補に上げられながらまさかの低迷となり、Playoff出場すら逃しました。その背景にあったのはエースRBのEzekiel Elliottが受けた6試合出場停止処分が長引いたことですね。エピソード1から早速その話が出てきます。その後にこんなニュースも流れており、コミッショナーのロジャー・グッデルとジェリーとの暗闘が水面下であったことが明らかになっています。
エピソード3以降はこれからの鑑賞なのですが、どういう展開をたどるかはこれからのお愉しみとなります。なお筆者は全編をAmazonのタブレットFire HDにダウンロードして、移動中に鑑賞しています(ただし昨日はまさかのバッテリー切れを起こすという失態をしましたが)。
エピソード1にはDALのチーム運営をファミリービジネスとしているジョーンズ家の面々が、一堂に会するシーンも流れていました。父のジェリーのほかに息子二人と娘一人が事業を分担しているという現状を筆者も初めて知りましたが、その映像を見て即座に思い出したのが「ザビ家」(息子が二人しか出てこないのでサスロとガルマ亡き後ということなるわけですが、キシリアに当たる娘が大きな存在となっていたところがまさに重なってきます。二人の息子のうちどっちがギレンでどっちがドズルかは知りませんが)。この映像を見た筆者の友人も同じことを思ったということですから、機動戦士ガンダム世代はピンとくるはずですね。
スポーツチームのオーナーファミリーでは、有名なところではNBAのLos Angeles Lakersのバス家やMLBのNew York Yankeesのスタインブレナー家などが思い浮かびます。これらのファミリーについて話し出すと長くなるので本編では割愛しますが、バス家ではキシリアに相当する娘がギレンに相当する兄を追放するという悲劇が発生しています。ジョーンズ家でも「世代交代」があった後に、家族間の骨肉の争いが発生しなければよいのですが。
そしてもう一本鑑賞したのが、刑事コロンボの「アリバイのダイヤル」です。1972年に米国で放映ということですから、46年も前の映像ですね。
刑事コロンボは日本でNHKが最初に放送し、日本テレビでの再放送などを経ていろいろなチャンネルで放送されています。筆者は全45エピソードのDVDを所有していますが、たまたまAXNミステリーが全編放送をしたことがきっかけとなり、過去の作品を振り返ってみるようになりました。このエピソードもだいぶ前に見た記憶がありますが、その時はNFLを熱心に見ていなかったのであまりピンと来ていませんでした。
冒頭はこんな感じです。犯人は(コロンボは原則、犯人役が最初から明かされる倒叙ものです。演じるのは「アメリカンヒーロー」のビル・マックスウェル役でおなじみのロバート・カルプ)Los Angels Rockets(一般ルールに重ねて略すと「LAR」ですね)という架空のNFLチームのやり手のジェネラルマネージャー(GM)で、被害者はそのRocketsの二代目オーナー。既に亡くなった先代オーナーに比べて、球団経営に熱意がない放蕩三昧の人物として描かれています。
そしてGMはRocketsの試合中(日曜日の午後)にスタジアムを抜け出し、酔い覚ましに自宅プールで泳いでいる二代目を氷で撲殺し、スタジアムに戻ってアリバイ工作をするという展開でした。ところどころに挟まれる試合の経過や、チームの采配をめぐるGMとヘッドコーチのやり取りなども、NFLの試合を見慣れた身としては気になるところでした。
GMは先代の「世界最大のスポーツ王国」を作るという野心を引き継ぎ、ビジネスの拡張を目指しています。二代目を排除し、自らそれにとって代わろうとするというのが犯行の動機として描かれていました。日本には刑事コロンボの各エピソードを解説した書籍やサイトが複数ありますが、これらでは「このエピソードは動機が弱い」という評価をよく見ます。遺産や身代金目当てとか、浮気がばれそうになってその事実をなかったことにしたいといった動機に比べると、分かりづらいようです。
しかしこれまで、いくつかの北米スポーツでオーナーとGMの確執や非難合戦などを見てきた筆者としては、雇い主であるオーナーを撲殺したくなる、そして自分がその場にとって代わりたくなるという気持ちは非常に理解できるものでした。チーム運営を任される身としては、(全てのオーナーがそうとは限りませんが)自分の任命権を持っている一方で、投げやりだったり試合の采配にまで口を出してきたりするオーナーは疎ましい存在になることでしょう。こうした感情が行きつくところまで行ったことが、殺意につながったのだなあと理解したのです。
最後に、熱意を持った(筆者の友人からは、「その熱意が変な方向に行っていた」という指摘がありましたが)初代の後を継いだダメダメな二代目のNFLチームオーナーという展開を見ていて、筆者の頭には西海岸にあるNFLチームが浮かんだのですが、皆様はいかがだったでしょう。もったいぶらずに言えばOAKですね。
これは単なる偶然でしょうが、Al DavisがOAKのオーナーとなったのがまさに本エピソードが作られた1972年。このときに刑事コロンボの制作チームがOAKの未来を予想していたとは到底思えませんし、現在のOAKのGMが二代目を撲殺することも多分ないでしょう。それでもついこのエピソードを見てニンマリできるのは、NFLファンならではと感じました。ぜひNFLファンの皆様にも、鑑賞していただきたいと思います。
2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語ります。
AFC東 | BUF | バッファロー・ビルズ | NFC東 | DAL | ダラス・カウボーイズ |
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MIA | マイアミ・ドルフィンズ | NYG | ニューヨーク・ジャイアンツ | ||
NE | ニューイングランド・ペイトリオッツ | PHI | フィラデルフィア・イーグルス | ||
NYJ | ニューヨーク・ジェッツ | WAS | ワシントン・レッドスキンズ | ||
AFC北 | BAL | ボルティモア・レイブンズ | NFC北 | CHI | シカゴ・ベアーズ |
CIN | シンシナティ・ベンガルズ | DET | デトロイト・ライオンズ | ||
CLE | クリーブランド・ブラウンズ | GB | グリーンベイ・パッカーズ | ||
PIT | ピッツバーグ・スティーラーズ | MIN | ミネソタ・バイキングス | ||
AFC南 | HOU | ヒューストン・テキサンズ | NFC南 | ATL | アトランタ・ファルコンズ |
IND | インディアナポリス・コルツ | CAR | カロライナ・パンサーズ | ||
JAX | ジャクソンビル・ジャガーズ | NO | ニューオリンズ・セインツ | ||
TEN | テネシー・タイタンズ | TB | タンパベイ・バッカニアーズ | ||
AFC西 | DEN | デンバー・ブロンコス | NFC西 | ARI | アリゾナ・カーディナルス |
KC | カンザスシティ・チーフス | LAR | ロサンゼルス・ラムズ | ||
OAK | オークランド・レイダース | SF | サンフランシスコ・49ers | ||
LAC | ロサンゼルス・チャージャース | SEA | シアトル・シーホークス |
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