
この市場はも誰も商売してない、その昔繁栄した面影もなく、長い長いトンネルがあるだけ
人影もなし。
私がこの近くにいた頃は、私の妻はここの人たちと仲良くなって、よく買い物して帰っていたが、そんな思い出が
私を、寂しくかなしくしてる。妻がこの暗がりの中を歩いてるのを考えると一段と寂しさの中え突入する。

この市場のすぐ裏手に昌弥と言う居酒屋があってそこはかなり繁盛をしていた。
お客は警察、市役所の人達、女性にも人気でそれぞれに楽しんでいた、そこのマスターは腕がよくて
和風料理は天下一品で、長崎にはこの人の右に出る人はいなかったろう。
東京に出ても一流の腕を発揮したろうと思う。繊細で美味しい料理であった。
その彼も一大決心して街に店を移した、エリア的にはいいところであったが、彼は腕を磨いていった。
その結果は、商品が次第に高くなっていった。前の店に来ていた人は皆来ていたが次第に客離れが始まっていった。
彼は腕は日本一だったかもしれないが、経営は中の下であったのか、残念でならない思い出である。

今はもうどこにいるのかわからない。花一輪を手向けて、良き思い出ともお別れだ。
願わくばどこかで頑張っていて欲しい。