徳川慶喜log~徳川と宮家と私~

徳川慶喜家に生まれた母久美子の生涯、そして私の人生。

私・井手純〜カナダ公邸出向②〜

2019-06-05 05:00:00 | 日記
カナダ公邸に到着した翌日、公邸のメンバーに紹介されてカナダの勤務がスタートした。
公邸での主な仕事は、大使ご夫妻の食事のお世話、大使主催のランチ、夕食会のセッティングと食事の
サービス、食後の葉巻とアフタードリンクのサービス、そして皆様お帰りのお見送り、その後の後かたずけであった。
遅いときは、午前二時頃になる時もあった。
大使の朝食は毎朝六時と決まっており、たまに電話で起こされることもあった。

大使は大変語学が堪能(当たり前のことなのだが)で他国の大使と会話中に先方が日本人と話していることを思わず忘れて”ジャップ”と言い、その他国の大使が謝った事があったのだが、朝食の時に何か嬉しそうに私に話してくださった。

4月29日の(昭和)天皇誕生日には、在日日本人の方々を約200人程公邸の庭に呼ばれてパーティーをされた。
とても賑やかで皆さん喜んでおられたが、とにかく後かたずけが本当に大変だった。
特に庭師のアレンは庭が荒らされて、かなり怒っていた。

その庭師のアレンには公私共にとても世話になった。
年は私より二回りほど上だったが、とても親日家のイギリス系のカナディアンだった。
代々の大使に仕えており、大使もとても頼りにされていた。


徳川おてんば姫(東京キララ社)