徳川慶喜log~徳川と宮家と私~

徳川慶喜家に生まれた母久美子の生涯、そして私の人生。

私・井手純〜帝国ホテル時代2-③〜

2019-06-14 05:00:00 | 日記
(前回記事で書いた父母との会話から)数か月後、トヨタ自動車本社主催の『トヨタ世界大会』と言う途轍もなく大きな宴会が帝国ホテルで開催された。
何しろ世界中のトヨタのトップリーダーがあの有名なクイーンエリザベスで日本に寄港し、パーティーをするというもので尋常な宴会では無かった。
勿論宴会場は全て貸切だった。

当然、社長ご夫妻も出席、VIPの入り口から入って来られた。
担当の私もお出迎えした。
数人の秘書の方々と入って来られた時、初めて奥様にお会いする事と、今度いつお会いできるか分からない事が相まって、思わず奥様に近づいて「奥様、高輪の井手で御座います。」と小声でご挨拶してしまった。

すると奥様は「あなた、高輪の井手さまの息子さんよ!」と社長の章一郎さんに言われた。
社長は突然足を止め振り返って私に頭を下げられた。
私も驚いたが周りの秘書の方々の驚きは私の比では無かった。
何しろ巨大企業、日本のトップ企業、社内の天皇とまで言われてる方が、若造(当時私は若造だった)に頭を下げるなんて、ありえない事である。


徳川おてんば姫(東京キララ社)