徳川慶喜log~徳川と宮家と私~

徳川慶喜家に生まれた母久美子の生涯、そして私の人生。

私・井手純〜帝国ホテル時代2-②〜

2019-06-13 05:00:00 | 日記
営業部に在籍している折、トヨタ自動車東京本社の担当もさせて頂いていた時のことである。
今でも日本の経済界のトップであるが、当時のトヨタは物凄い勢いであった。
豊田章一郎社長は社内では天皇であった。
勿論私など遠くからお顔を拝見するぐらいで、常に秘書の方が数人取り囲んでいた。
雲の上の方だった。

ある日家に帰って食卓の上に豊田章一郎氏の名刺があったので、驚いて父にその名刺の事を聞くと「娘さんのお子さんが患者なんだよ。章一郎さんのお孫さんを看ているんだ。良くなったのでお礼が名刺と一緒に届いたんだ」と。
すると母が「章一郎さんの奥様は私の後輩なのよ。お電話で何度かお話したわ」と。

”へー、世の中驚きが一杯あるもんだな”と思い、母に「トヨタ自動車を担当してるんだ」と言うと、母は「奥様にお会いしたら宜しくお伝えしておいて。」と言っていた。
余り深く考えず私の記憶の中に刻まれた。
それが後にとんでもないことになるとは思いもしなかった。


徳川おてんば姫(東京キララ社)