「大荒れの婚礼」(続き)
式が始まると、私は介添えと簡単な打ち合わせをする。
特別のことが無ければ10分程で打ち合わせは済む。
この日も特に問題なく式が済むのを待ち、スムーズに進行していった。
その後披露宴会場に皆様を案内する。
会場の前室にはすでに多くの来賓が来られており、ご両親はその対応に大忙しとなる。
披露宴開始の30分前には新郎新婦、両家のご両親に並んでいただき、来賓の方々の入場となる。
昼の披露宴は一応3時間で済ませなければならない。
何故なら、その後夜の披露宴が控えているからである。
我々はせかすことなく、そして滞る事の無いように淡々と進めていかなければならないのである。
祝辞が長かったり、新婦のお色直しに時間がかかったりと、問題は限りなくあった。
披露宴は大変盛り上がり皆様に祝福されながら終盤を迎えた。
スケジュールも時間通り進行していった。
その時、新郎と母親の会話が私の耳にはいってきた。
「オヤジまた、やらなければいいけどな!」これを聞いて一抹の不安を感じたが、もうすぐお開きの時間で私も忙しく、その会話のことは忘れてしまっていた。
新郎の父からの謝辞も、来賓のお見送りも済み、新郎の父は大喜びで縞のネクタイを頭に巻き大変ご機嫌で「おい!井手、これから衣装返してくるから17階のラウンジ30名で取ってくれ。」と言い残して下の美容室へ行ってしまった。
二次会である。
すぐ内線電話でラウンジに連絡すると、若い女の子が電話口で「30名一緒は今無理なので取り敢えず二組で用意します。」と言った。
この日はホテル中満杯で「それでも何とかとれたから良かった。」と、ホッとしたのだが・・・・・
事件は20分後に起きた!
(続く)
徳川おてんば姫(東京キララ社)
式が始まると、私は介添えと簡単な打ち合わせをする。
特別のことが無ければ10分程で打ち合わせは済む。
この日も特に問題なく式が済むのを待ち、スムーズに進行していった。
その後披露宴会場に皆様を案内する。
会場の前室にはすでに多くの来賓が来られており、ご両親はその対応に大忙しとなる。
披露宴開始の30分前には新郎新婦、両家のご両親に並んでいただき、来賓の方々の入場となる。
昼の披露宴は一応3時間で済ませなければならない。
何故なら、その後夜の披露宴が控えているからである。
我々はせかすことなく、そして滞る事の無いように淡々と進めていかなければならないのである。
祝辞が長かったり、新婦のお色直しに時間がかかったりと、問題は限りなくあった。
披露宴は大変盛り上がり皆様に祝福されながら終盤を迎えた。
スケジュールも時間通り進行していった。
その時、新郎と母親の会話が私の耳にはいってきた。
「オヤジまた、やらなければいいけどな!」これを聞いて一抹の不安を感じたが、もうすぐお開きの時間で私も忙しく、その会話のことは忘れてしまっていた。
新郎の父からの謝辞も、来賓のお見送りも済み、新郎の父は大喜びで縞のネクタイを頭に巻き大変ご機嫌で「おい!井手、これから衣装返してくるから17階のラウンジ30名で取ってくれ。」と言い残して下の美容室へ行ってしまった。
二次会である。
すぐ内線電話でラウンジに連絡すると、若い女の子が電話口で「30名一緒は今無理なので取り敢えず二組で用意します。」と言った。
この日はホテル中満杯で「それでも何とかとれたから良かった。」と、ホッとしたのだが・・・・・
事件は20分後に起きた!
(続く)
徳川おてんば姫(東京キララ社)