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今日の筆洗

2021年01月01日 | Weblog
 歳末の千両富を射止めた八五郎。大金に気を良くし、今年はきちんとした身なりで年始回りをするのだと意気込む。元日の前の晩から裃(かみしも)をつけ、夜の明けるのをジリジリとしながら待つ。落語の「御慶(ぎょけい)」である▼初春のお慶(よろこ)びを申し上げます。本年も「筆洗」、なにとぞごひいきのほどを▼で、おめでたい「御慶」の続き。やっと東の空がしらんでくる。夜が明ける。八五郎の喜びようったらない。「てへへへっ、ようようよう、おう来たぞ。正月が来やがった。正月だ。ざまあみやがれ」▼二〇二一年の年明けに乱暴ながら喜びの実感のこもったセリフを書きたくなったのもあの流行病のせいだろう。年が明けたからといって状況が改善するわけでは無論ない、それでも気分の重い年がようやく去り、新しい年を迎えればなにか良いことがあるのでは。「ようようよう」。いつもの年以上に新年を喜びたくなるのはわが身ばかりではあるまい▼実は既に「初詣」も済ませている。感染対策で推奨された分散参りである。富くじならぬ、おみくじは大吉と自慢したくもなるが、やはり取り返したいのは普通の正月である。政府の求める「静かな正月」もやむを得ないこととはいえ、帰省や外出もしにくいのでは心は晴れぬ。今さらながら普通のありがたさを知る▼本年もよろしくお願いします。言うまでもなく感染対策のことである。

柳家小さん(五代目) 御慶(ぎょけい)*

明けましておめでとうございます。