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今日の筆洗

2021年01月21日 | Weblog
 車のブレーキが壊れた。修理に出すと数日後、こんなメモとともに車が戻ってきた。「ブレーキは直りませんでした。その代わり、警笛の音を大きくしておきました」。どこかで聞いた小咄(こばなし)。警笛を大きくしてもブレーキの代わりには決してならぬ▼バイデンさんが本日、米大統領に就任する。米国という名のエンジン不調の大型車が工場に運び込まれた。それを大急ぎで修理しなければならないのがバイデンさんである。トランプさんの乱暴な運転で傷ついた車をどう修理していくか▼就任演説では国民に団結を訴えるそうだ。当然である。トランプ支持派が連邦議会に乱入。本来なら祝賀ムードにあふれる就任式が厳重な警備の中で行われなければならぬほど国の意見対立と分断は深刻である▼団結を訴えるバイデンさんには間違いなく拍手が送られる。が、それだけでは分断は消えまい。米NBCの世論調査によると今後四年間で米国は団結できるかとの質問にノーと答えたのは約七割。団結への処方箋が見えないのだろう▼団結、結束へと導くカギは掛け声ではなく、おそらくはコロナ対策と経済である。ここで成果を残せば、大統領の評価と信用は上がり、団結を訴える声にも人々は耳を傾けるはずだ▼期待する。「分断は直りません。代わりに団結を訴える声を大きくしておきました」。四年後、そんなメモは見たくない。