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今日の筆洗

2019年02月22日 | Weblog

父に別れしみなし子の九界九蔵(くかいくぞう)の二代目を…」。江戸の芝居小屋で、十七歳の若者が「おひきたてを」と口上を述べた。居合わせた客はおろか、伝え聞いた人さえ涙したという。二代目市川団十郎の襲名披露には、そんな逸話が残っている▼江戸歌舞伎に独特の芸風を生み出し、人気を博した初代は悲運に見舞われ早世していた。待ち望まれた二代目だった。成功者の後を継ぐがゆえの重圧の中で、多くの人の温かい期待の視線が、その背に注がれていたようだ▼こちらは、地球から三億キロ超という想像も難しい宇宙空間である。夜空を見上げ、二代目の成功を祈った方もいるのではないか。小惑星探査機「はやぶさ2」が、正念場を迎えている。きょう小惑星りゅうぐうに着陸して、岩石採取に挑むと発表された▼半径数メートルという点のような場所に降りるという。地球との通信に時間差がある中、岩を砕き、舞い上がったかけらを取る。想像もしがたい難しさだ▼困難の連続だった初代はやぶさは、使命を果たしながら燃え尽きた。初代の無念と教訓を生かして、大きく改良されているという。一方で、携わる人には初代を超えなければならない重圧があろう▼二代目団十郎は困難に見舞われながら、後世に残る江戸歌舞伎の基盤を築いた。二代目が家の盛衰を決めるとすれば、小惑星探査も正念場か。ひきたてたいはやぶさだ。

 
 

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今日の筆洗

2019年02月21日 | Weblog

古くから「薬もすぎれば毒となる」という。薬も毒も化学物質であることに変わりはない。境はあいまいで、表裏一体でもある。麻薬由来の鎮痛剤は使い方次第で中毒になる。細菌などの猛毒が薬になる例は多い。「薬は天使ですが、いつ悪魔に豹変(ひょうへん)するかわからない天使です」(斎藤勝裕著『毒と薬のひみつ』)。そんな専門家の警戒の言葉も見た▼「デジタルデトックス」。最近よく耳にする。スマートフォンに代表されるデジタル機器にも薬効と毒は同居しているようで、依存が進み中毒を恐れる人などが機器をしばらく遠ざけて、デトックスつまり毒を抜くのだという▼毒の面を強く警戒してきた教育の世界に変化があるようだ。文部科学省が、スマホの学校への持ち込みを原則禁止した通知について、見直しを検討するという▼中学生の七、八割がスマホを使うといわれる時代である。デジタル機器の学校での活用も進む。災害時の安否確認や児童らの所在地把握に、大きな効果を発揮するのは明らかで、持ち込みを求める声は理解できる▼ただ、依存や中毒がすでに問題視されている。持ち込みを認めれば、スマホ使用への心理的な壁は小さくなろう。長所、短所は表裏一体だ▼毒だけ抜き、薬効のみ享受するにはしっかりした使い方のルールが不可欠だ。守らせることができるか。毒の部分を見ないのは大人にも難しい。

 
 

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今日の筆洗

2019年02月20日 | Weblog

真珠湾攻撃を描いた日米合作の超大作映画「トラ・トラ・トラ!」(一九七〇年公開)。日本側の監督は当初、黒澤明さんだった▼ところが黒澤さんの撮影が進まない。焦った米映画会社が黒澤さんを降板させ、別の日本人監督に打診するが、この監督、黒澤さんへの思いから拒否する。「世界的な監督になる機会を棒に振るのか」。米側の説得にこう言い返したそうだ。「こんなもので世界的な監督になんかなりたくねえ」▼映画監督の佐藤純彌さんが亡くなった。八十六歳。あの後任を断った人である。「新幹線大爆破」「君よ憤怒(ふんど)の河を渉(わた)れ」「人間の証明」。斜陽期にあった七〇年代の映画界においても多くのヒット作を残した。観客を興奮させ、サスペンスで息をするのさえ忘れさせる。そういう映画本来の娯楽性を大切にした監督だろう▼「新幹線…」では当時の国鉄が題名におののき一切の協力を拒否した。運転指令室の中を知りたい監督は外国人を雇い、視察と称して潜入させたそうだ。こだわりの人でもある▼「君よ…」は中国で大ヒット。「新幹線…」はフランスでも評判になった。新幹線の速度を落とすと爆発するというサスペンスの工夫は米映画の「スピード」にも使われた。米側の打診を断っても立派に「世界的な監督」になったのである▼懐かしい作品を見たい。ビデオではなく、ひなびた古い映画館で。

 
 

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今日の筆洗

2019年02月19日 | Weblog

 かのヒトラーがノーベル平和賞の候補になったことがあると聞けば驚く人もいるだろう。ドイツがポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が勃発する直前の一九三九年のことだそうだ▼推薦したのはスウェーデン国会議員のエリック・ブラント。推薦文がふるっている。「ヒトラーは平和への希望」「地球平和のプリンス」。絶賛の限りを尽くしているが、無論ヒトラーへの痛烈な皮肉。この人、反ナチズムの政治家で平和賞への推薦でヒトラーをからかいたかったらしい▼その種の皮肉や冗談ではなく、どうやらマジメな推薦らしいと聞いて複雑な気分になる。安倍首相がノーベル平和賞にトランプ米大統領を推薦しているそうだ▼北朝鮮の核・ミサイル実験停止などでの功績を評価してということになろうが、問題の先行きは見えぬままで、それを評価するのは気が早かろう。ましてや世界を翻弄(ほんろう)する「分断の人」を「平和」と名の付く賞に推薦することへの違和感が消えぬ▼どういう経緯で推薦となったのかは分からない。米側の要請があれば断りにくい日本側の事情も理解できないではないが、平和賞への推薦は日本がトランプ政治を手放しで称賛しているように見えまいか▼首相は昨日の国会で推薦したかどうかを明確にしなかった。安倍さん自身、胸の張れる推薦ではないことをよく分かっていらっしゃるようにも見える。

 
 

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今日の筆洗

2019年02月18日 | Weblog

 二匹の蛇が互いに絡み合っていたそうだ。夢にそんな気味の悪い光景が出てきたらさぞや気分が悪かろう▼諸説あるが、この悪夢が大発見につながったという伝説がある。米国の分子生物学者のジェームズ・ワトソン博士。二匹の蛇が絡み合う様子からDNAの二重らせん構造を着想したという。一九五三年のことである。昔から蛇の夢は吉兆と聞くが、この発見でノーベル医学生理学賞を受賞しているからワトソンさんの悪夢も縁起が良かったか▼こっちの悪夢をめぐる論争は吉兆とは無縁だろう。安倍首相が自民党大会でかつての民主党政権を「悪夢のような」と呼び、これに民主党代表だった岡田克也さんが撤回を求め、かみついた▼民主党政権時代が夢のようだったとは言えない。が、政権を失って約六年。いつまでも悪夢と呼び、それが嫌なら自民党を支持して、という首相の宣伝方法もいささか品に欠けよう。そもそも統計不正問題一つをとっても、今の政権もばら色の夢では決してない▼岡田さんにも味方はできない。悪夢はともかく、その政権は迷走を重ね、国民の期待を裏切った。これは否定できぬ▼とすれば、手は一つしかあるまい。首相の言う悪夢の反省に立って、かつての民主党出身者が国民が期待できる新しい夢、新しい政治構想を見せること。それがなければ、野党に吉兆はいつまでも訪れないだろう。

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今日の筆洗

2019年02月16日 | Weblog

  「赤とんぼ群れ出(い)ずるは地震の兆し」「ヘビ、藪(やぶ)に集まるときは地震あり」。そんなことわざが全国にある。動物たちに比べれば、人は残念ながら、迫り来る災害などを直感する力に乏しい。だから目を凝らしてきた▼消防庁ホームページに、同種の言い伝えが多数集められていて興味深い。福井県の「大雪の年はクマが里に出てくる」、宮崎県の「モグラが騒ぐと台風が来る」、富山県などの「カメムシが大量発生した年は大雪」などである。獣や虫が、総出で警告しているようにも思えてくる▼では、人の生活圏に現れた多数のホッキョクグマは何を語っていよう。ロシア北部、北極海に浮かぶ島の集落に、五十頭以上が現れる異例の事態が報じられた。えさを求めて民家に来ることもあり、地元当局が緊急事態を宣言したという▼理由は定かでないが、海氷が減っているため、陸に来たのだという指摘が、専門家から上がっている。地球温暖化の進行である。炭坑のカナリアのように、人に先だって影響を受けているのだと、警告としてとらえる声もある▼一方で最近、自国が大寒波に見舞われているからと地球温暖化に関し「君が必要だ」と、ツイッターに投稿したのは、温暖化を疑うトランプ米大統領だ▼非常事態の宣言を発表したが、国境の壁を建設するためである。動物からの警告に目を凝らすように思えない人もいる。

 

- 1

埼玉県

埼玉県

夏至の朝霧がまくと大水がある(熊谷 市佐谷田)

熊谷地方気象台:埼 玉県下の天気俚諺 (1987)

110001- 10

埼玉県

埼玉県

蟻が木に登るのは大洪水の前兆(川越 市)

熊谷地方気象台:埼 玉県下の天気俚諺 (1987)

110001- 11

埼玉県

埼玉県

鳶が高い所に巣を作るのは大水の兆し (羽生市須影)

熊谷地方気象台:埼 玉県下の天気俚諺 (1987)

110001- 12

埼玉県

埼玉県

蛇の木登りは大水の兆し(吉見町南吉 見)

熊谷地方気象台:埼 玉県下の天気俚諺 (1987)

8防災に関わる「言い伝え」

事例No

都道府 県名

市町村名

言い伝えの内容

趣旨・ポイント

出典(添付資料)

110001- 13

埼玉県

埼玉県

堤防の上の方に蜂の巣の多いときは洪 水(吉見町南吉見)

熊谷地方気象台:埼 玉県下の天気俚諺 (1987)

110001- 14

埼玉県

埼玉県

蜂が梢に巣を作るのは洪水の兆し(川 越市)

熊谷地方気象台:埼 玉県下の天気俚諺 (1987)

110001- 15

埼玉県

埼玉県

川蝉の子が育つまでは水がでない(熊 谷市久下)

熊谷地方気象台:埼 玉県下の天気俚諺 (1987)

110001- 16

埼玉県

埼玉県

河原の蜂が巣を低く作るときは水は出 ない(熊谷市久下)

熊谷地方気象台:埼 玉県下の天気俚諺 (1987)

110001- 17

埼玉県

埼玉県

蜻蛉が家の中へ入ると大水がでる(熊 谷市佐谷田)

熊谷地方気象台:埼 玉県下の天気俚諺 (1987)

110001- 18

埼玉県

埼玉県

中仙道を蛾が多く西へ飛んで行くのは 大水の兆し(熊谷市佐谷田)

熊谷地方気象台:埼 玉県下の天気俚諺 (1987)

110001- 19

埼玉県

埼玉県

川柳の直立するときは洪水が出る(深 谷)

熊谷地方気象台:埼 玉県下の天気俚諺 (1987)

110001- 2

埼玉県

埼玉県

上げ雨が降ると大水になる(熊谷市久 下)

熊谷地方気象台:埼 玉県下の天気俚諺 (1987)

110001- 20

埼玉県

埼玉県

大水の出た夢を見ると火事が起こる。 (荒川村)

埼玉県:荒川 人文 III p486(19 88)

110001- 21

埼玉県

埼玉県

朝、雷があると大水が出る。(熊谷 市)

埼玉県:荒川 人文 III p487(19 88)

110001- 22

埼玉県

埼玉県

熊谷市久下神社のおみこしをお祭りに かついだ年には、必ず土手が切れ大水 が出ると言われている。(熊谷市)

埼玉県:荒川 人文 III p487(19 88)

110001- 23

埼玉県

埼玉県

3のつく年は大洪水があるという。 (吉見町)

大規模な水害の起きた年 (元号)の約半数に3がつ く。統計的にいわれたこと か(?)

埼玉県:荒川 人文 III p488(19 88)

110001- 24

埼玉県

埼玉県

少しの雨でも荒川が洪水になるので、 昔から蛙がおしっこをしても荒川があ ふれるといわれた。(鴻巣市)

埼玉県:荒川 人文 III p488(19 88)

110001- 25

埼玉県

埼玉県

南風が吹くと台風や大洪水(八潮市、 戸田市)

埼玉県:新編埼玉県 史 民俗2 p68 7(1986)

110001- 26

埼玉県

埼玉県

蛙が家の近くに来たり、家の中に飛び 込んだりすると大水や台風になる。

一般的な言い伝え

埼玉県:新編埼玉県 史 民俗2 p68 8(1986)

110001- 27

埼玉県

埼玉県

亀が上にあがると大水が出る。(戸田 市)

31 111-1とデータ重複。 但、典拠はこちらの方が詳 しい。

埼玉県:新編埼玉県 史 民俗2 p68 8(1986)

110001- 28

埼玉県

埼玉県

なまずが地下を動き回ると地震が起こ る。

一般的な言い伝え

埼玉県:新編埼玉県 史 民俗2 p68 8(1986)

110001- 29

埼玉県

埼玉県

例年に比べて蜂の巣が多い年は台風が 多く、巣の少ない年は大水が出る。

埼玉県:新編埼玉県 史 民俗2 p68 9(1986)

110001- 3

埼玉県

埼玉県

朝雷は大水のもと(羽生市須影・熊谷 市久下・熊谷市佐谷田・川越市)

熊谷地方気象台:埼 玉県下の天気俚諺 (1987)

9

防災に関わる「言い伝え」

事例No

都道府 県名

市町村名

言い伝えの内容

趣旨・ポイント

出典(添付資料)

110001- 30

埼玉県

埼玉県

アリが何万というほど群がり集まって いると大水が出る。(岡部町)

埼玉県:新編埼玉県 史 民俗2 p68 9(1986)

110001- 31

埼玉県

埼玉県

梨の花が多いのは大水の兆し。(志木 市)

埼玉県:新編埼玉県 史 民俗2 p68 9(1986)

110001- 32

埼玉県

埼玉県

川柳が直立するときは大水の兆し。 (志木市)

埼玉県:新編埼玉県 史 民俗2 p68 9(1986)

110001- 33

埼玉県

埼玉県

彗星は凶事の前兆。大水がでるなど。 (戸田市)

一般的に変事・凶事の兆し とされる。

埼玉県:新編埼玉県 史 民俗2 p69 0(1986)

110001- 34

埼玉県

埼玉県

犬の遠吠えは火事の兆し。(戸田市、 八潮市)

一般的に変事・凶事の兆し とされる。

埼玉県:新編埼玉県 史 民俗2 p69 0(1986)

110001- 35

埼玉県

埼玉県

家からねずみがいなくなると火事にな る。

一般的な言い伝え

埼玉県:新編埼玉県 史 民俗2 p69 1(1986)

110001- 36

埼玉県

埼玉県

ねずみが神棚の注連縄をかじると火事 になる。(大滝村)

埼玉県:新編埼玉県 史 民俗2 p69 1(1986)

110001- 37

埼玉県

埼玉県

井戸の水が増えると変事(地震など) が起こる。(戸田市)

埼玉県:新編埼玉県 史 民俗2 p69 2(1986)

110001- 4

埼玉県

埼玉県

寒雷様は大水のもと(川越市)

熊谷地方気象台:埼 玉県下の天気俚諺 (1987)

110001- 5

埼玉県

埼玉県

荒川またぎの虹は大水のもと(吉見町 南吉見・熊谷市久下・川越市)

熊谷地方気象台:埼 玉県下の天気俚諺 (1987)

110001- 6

埼玉県

埼玉県

水吸(株虹)の出現は大水のもと(吉 見町南吉見・川越市)

熊谷地方気象台:埼 玉県下の天気俚諺 (1987)

110001- 7

埼玉県

埼玉県

朝虹が出ると大水がある(熊谷市久 下)

熊谷地方気象台:埼 玉県下の天気俚諺 (1987)

110001- 8

埼玉県

埼玉県

虹が富士をまたぐと大水がある(騎西 町種足・久喜市・川越市)

熊谷地方気象台:埼 玉県下の天気俚諺 (1987)

110001- 9

埼玉県

埼玉県

大橋をまたいで虹が出ると大水の兆し (熊谷市佐谷田)

熊谷地方気象台:埼 玉県下の天気俚諺 (1987)

111007- 1

埼玉県

さいたま市

蜂が低いところに巣を作るときは、大 風の前兆といわれている。

台風などの風害を避ける教 訓

『ふるさとさいたま の知恵』(埼玉県老 人大学ふるさとさい たまの知恵編集委員 会/編 埼玉県県政 情報資料室発行) 159p気象に関する知 恵の項で紹介

111007- 2

埼玉県

さいたま市

旱魃に凶作なし

埼玉では昔から、旱魃より も水害が恐れられてきたこ とから生まれた言葉

『図説浦和のあゆ み』(浦和市総務部 行政資料室/編 浦 和市発行)228p

111-1

埼玉県

亀が上にあがると大水が出る。

新編埼玉県史(昭和 61)

111-2

埼玉県

からすが巣を高い所に作ると大雨、低 い所に作ると大風。

新編埼玉県史(昭和 61)

10

防災に関わる「言い伝え」

事例No

都道府 県名

市町村名

言い伝えの内容

趣旨・ポイント

出典(添付資料)

111-3

埼玉県

秩父方面では、冬に山鳥がしきりに餌 をあさっていると、大雪になる。

新編埼玉県史(昭和 61)

111-4

埼玉県

蜂が低いところに巣を作ると風、高い 所に作ると雨が多い。又、例年に比べ て、巣が多い年は台風が多い、巣の少 ない年は大水、軒の下に作ると日照 り、日陰に作ると台風になる。

新編埼玉県史(昭和 61)

111-5

埼玉県

梨の花が多いのは大水の兆し。

新編埼玉県史(昭和 61)

113263- 1

埼玉県

毛呂山町

雷が鳴ったら、「自分より高い火の見 櫓やけやの木に行ってはいかない」

雷は高いものに落ちやす い。

毛呂山町『毛呂山民 俗誌Vol.1』(平成2 年)p28 毛呂山町 立図書館蔵(添付資 料2-1)

113263- 2

埼玉県

毛呂山町

雷が鳴ったら、「豆まきの豆を食え」

「鬼は外」で追い出された 鬼と、雲の上の雷様と結び つけ、豆を人が食べれば雷 様も怖くなって雷をやめる だろうということ。

毛呂山町『毛呂山民 俗誌Vol.1』(平成2 年)p28 毛呂山町 立図書館蔵(添付資 料2-1)

113263- 3

埼玉県

毛呂山町

雷が鳴った時、「へそをとられるよ。 おりこうさんにしなさい」

子どもに言うことを聞いて もらうため。

毛呂山町『毛呂山民 俗誌Vol.1』(平成2 年)p27 毛呂山町 立図書館蔵(添付資 料2-1)

113263- 4

埼玉県

毛呂山町

雷が鳴った時、「桑原 桑原」と唱え る。

雷が桑原に落ちて桑株に刺 さりケガをして以来桑原へ は落ちないという説 (p27)、桑原は本数が多く て被害が少ないという説 (p27)、桑は霊木で鬼や魔 物が寄りつかないという説 (p28)など。

毛呂山町『毛呂山民 俗誌Vol.1』(平成2 年)p27、p28 毛呂 山町立図書館蔵(添 付資料2-1)

113263- 5

埼玉県

毛呂山町

雷の時は、蚊帳に入り、線香を立て る。(p27、p28、p117、p118)

麻の蚊帳が良いとされ、線 香は床の間に立てた。 (p118)

毛呂山町『毛呂山民 俗誌Vol.1』(平成2 年)p27、p28、 p117、p118 毛呂山 町立図書館蔵(添付 資料2-1)

113263- 6

埼玉県

毛呂山町

地震のときは「竹やぶに入れ」

竹林は根が強いため、地盤 が安定。

毛呂山町『毛呂山民 俗誌Vol.1』(平成2 年)p28 毛呂山町 立図書館蔵(添付資 料2-1)

113263- 7

埼玉県

毛呂山町

地震のときは「まんぜえろく」と唱え る。

詳細不明。一説では、「ま んぜえ」=「万歳(ばんざ い)」、「ろく」=「禄」 (「俸禄」の「禄」。「報 酬」「恩恵」の意)。従っ て「まんぜえろく」は、末 永く神の恩恵を受けられま すように、という祈願か? (同出典外)

毛呂山町『毛呂山民 俗誌Vol.1』(平成2 年)p28、p117 毛 呂山町立図書館蔵 (添付資料2-1)

113263- 8

埼玉県

毛呂山町

立春から数えて二百十日目を厄日と し、その前日あたりから「オヒマチ」 と呼ばれる嵐よけの祈願の儀式を行う 習慣があった。

立春から数えて二百十日目 は9月初旬で、台風の季節で あるため、近所の人が注意 を喚起し合い、地域で協力 して警戒態勢をとる。

毛呂山町『毛呂山民 俗誌Vol.1』(平成2 年)p46 毛呂山町 立図書館蔵(添付資 料2-1)

114421- 1

埼玉県

宮代町

地震の時は、竹やぶに逃げろ。

竹藪は根が張っているので 安全。

 

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今日の筆洗

2019年02月15日 | Weblog

  米国のブルース歌手、エタ・ジェームズが一九六一年にヒットさせた「AT LAST」という曲がある▼「AT LAST」とは「ついに」「やっと」の意味。やっと私の恋がかなった。寂しい日々はもうおしまい。つかみ取った幸せを歌っている。二〇〇九年の大統領就任祝賀パーティーで当時のオバマ米大統領と妻のミシェルさんがこの曲でダンスしていたのを思い出す人もいるかもしれない▼半世紀も昔の曲だが、米国では特定の機会に流れる定番ソングとなっている。お分かりか。結婚パーティー。とりわけ、同性カップルの結婚を祝う会でこの曲の人気は高いそうだ。結婚までの道程が険しい分「やっと」と歌うその曲と思いが重なりやすいか▼「AT LAST」と言える日を信じて日本の同性カップルたちが険しき道を歩きだした。国が同性同士の結婚を認めないのは婚姻の自由を保障した憲法に反するとして昨日、同性カップル十三組が東京、大阪、名古屋など四地裁に一斉に提訴した▼婚姻が認められねば、法定相続人にもなれぬ。具体的な不都合に加え、愛する者同士、法律上でも家族になりたい、平等に扱われたいというのは理解できる願いだろう▼同性婚への見方も変わった。先進七カ国(G7)で認めていないのは日本のみ。日本にだけ「AT LAST」の日が来ないことの方がよほど不自然であろう。

Etta James - At Last - Lyrics

 

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今日の筆洗

2019年02月14日 | Weblog

 漱石の『坊っちゃん』の中に生徒が先生にいたずらを仕掛ける場面がある。宿直室の布団の中に大量のバッタ(実際はイナゴ)を入れておく▼漱石が松山中時代、実際に見聞きしたいたずらという。当時はしかられておしまいだっただろうが、現代のいたずら、悪ふざけはそれでは済まされない。飲食店やコンビニなどの従業員が食品を不衛生に扱う動画を会員制交流サイト(SNS)に投稿し、問題となるケースが相次いでいる▼ごみ箱に入れた魚をまな板の上に置く。口に入れた、おでんの具を吐き出す。そんな場面を公開すれば、店の評判を傷つけ、大騒ぎになることは容易に想像できそうだが、投稿で注目でも浴びたかったか▼面白半分の不愉快な動画の投稿に待っているのは大きな代償である。店を運営する企業側は従業員への法的措置も含め、厳しく対応する構えを見せている▼『坊っちゃん』のいたずらを今、実際に行って、その場面をSNSに投稿したらどうなるだろう。おそらく相当な騒ぎになる。「お疲れの教師になんてむごいことを」「バッタもかわいそう」。SNSの非難の嵐を想像する。いたずらは若気の至りでは済まされぬ時代であることをよく覚悟すべきだろう▼アルバイトに向かう子どもには「いってらっしゃい」に続いて、一言付け加えた方が良さそうである。「いたずらだけは絶対にしないで」

 
 

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今日の筆洗

2019年02月13日 | Weblog

 <梅の木にふりかゝりたるその雪をはらひてやれば喜びのみゆ>。中原中也の初期の短歌で「春をまちつゝ」という題が付いている▼同じ中也で雪といえば「生ひ立ちの歌」の雪を連想する。(幼年時)「私の上に降る雪は真綿のやうでありました」。人生のそのときどきに降る雪。真綿のような優しい雪は変わっていく。「少年時」に「霙(みぞれ)」となり「十七-十九」で「霰(あられ)」、「二十-二十二」で「雹(ひょう)」、「二十三」で「ひどい吹雪と見えました」。雪は徐々に強くなっていく▼十八歳か。季節でたとえれば、それはまぶしく輝き、笑い声であふれる、「夏」であろう。雪など悪い予感のかけらもない。なのにその夏に霙でも霰でもなく、いきなり「ひどい吹雪」が襲ったとは、残酷な現実である。競泳の池江璃花子選手(18)。昨日白血病であることを公表した▼昨年のアジア大会で六冠を達成。きらめく泳ぎとその病名がどうあっても結び付かない。「私自身、未(いま)だに信じられず、混乱している状況です」とコメントしていた。十八歳の身には冷たすぎる吹雪である▼二〇二〇年の東京五輪という春。大輪を咲かせたいとその春を待ち続けていた、梅の木に降り積もる雪。<梅の木にふりかゝりたる>その厳しい雪を<はらひて>やりたいと祈るしかない▼吹雪の中を泳ごうと挑む君を応援する。どのレースよりも大声を張り上げる。

 
 

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