昨年2021年12月26日に縁あって朝日新聞東京版にて掲載されました。
掲載の経緯とその後のお話(時系列)
2021.12/22
新聞掲載のキッカケは電話でした。12/22の午前中に朝日新聞記者さんからの電話
『朝日新聞東京版企画「2021 Tokyoを 記録する」において貴店を取材したい』とのお申し出
最初はなんだか詐欺的なモノ?(以前にネット広告費用を請求する業者さんから連絡あったことがありました)と疑って話を聞いていましたが、会話しているうちに非常に真摯にお仕事されている方との印象に気持ちが変化し、取材のお申込みを受けさせてもらいました
私:「ではいつにしますか?」
記者さん:「明日はいかがでしょうか?」
私:「あ・あしたですか・・・」流石仕事が早い。
心の準備をしても特に何か変わるわけでもないと思いましたので、翌12/23の取材となりました。
12/23
記者さんが来店し、質問されて答える形で取材が始まりました、「取材」って感じではなく、お客さんとの会話に近い感じで、「さすがプロの記者さんの言葉引き出す力はすごいなぁ」と感心しきりでした。
父や私の生い立ち、時計屋さんの歴史、周辺・お客様・購買環境・売上比率の変化などお話は多岐に渡りましたが、常にメモをしつつの会話でした。
かなり大きなカメラを持って、腕には腕章、「記者」の装いです。
「2021 Tokyoを 記録する」裏側のテーマに「時」の要素があったようで、会議中に「時計屋さんあったらいいんじゃないか」となったようです。
その会議内容から記者さんが調べた所、当店ホームページを発見、取材となったようで、内容は薄いながらも当店ホームページを読み込んで、話は盛り上がり、1時間以上会話していました。
取材が終わったあと、父と「こんなこと(全国紙新聞取材)がこんなに小さく、駅からも近くない当店でされるってなぁ」と喜びあっていました。私は心のどこかで「あまり面白くもないネタだから、せっかく来てくれたのにボツになっちゃうんじゃないかな?記者さんに無駄足踏ませて申し訳ないなぁ」と悪いことばっかり考えていました。
12/25
記者さんからお電話「追加で写真を撮りたい」とお申し出あり。再来店し、数枚の写真撮影と追加の取材ありました。追加撮影した写真は紙面掲載されたものでした。ネガティブ思考な私でも「追加取材するってことは、記事にはなるな」とはっきりしたのでホッとしました。記者さんに「掲載いつごろでしょうかね」と聞いた所、「大きいニュースが入らなければ明日です」「あ!あした~」と狼狽していました。
12/26
記事が掲載されると伝えられていた日曜日は、当店定休日です。
普段はややゆっくり起床します、ですがなんだか興奮していたのでしょうか?AM5:30には起きてしまい、2度寝しようにも出来ず、AM6:00には近くのコンビニに新聞購入しに行っていました。一部を購入し店舗内で立ち読みしたら、記事が載っています。「うわー載っている」と困惑していました。その店舗で販売していた残りの朝日新聞2部も購入してしまいました。
家で読んでみるとなんだかホッコリする文章で、「さすが記者さんキレイな文章だなぁ」「ありがたい限りだなぁ」と思っていました。
当店が新聞掲載だなんて今後無いだろうし、親戚にも配ろうと書類作成したり、年賀状にも一文添えてアピールしてしまおうと作業したり、掲載当日はほとんどの時間パソコン作業していました。
ブログの反響もすごくアクセス数など過去に見たことも無い数値となっていました。(と言ってもベースが低いので偉そうな話ではありませんが・・・)
12/26以降
掲載直後は「問い合わせメール」「問い合わせお電話」「新聞載ってたね~良かったね~、おめでとう」の激励のお電話や、お客様が連続して来店し、数日ですが「行列の出来る時計屋さん」になりました。来店されたお客様に対して出来ることは「受付」する程度で、お預かりして後日連絡するお約束することくらいでした。
父と私の時計屋さん人生でこれほど強烈に忙しい日々は無かったと思います。直接「昨日の新聞出てたね~。すごいね~」と言って頂くお客様も複数人、来店くださり、ありがたい限りです。
新聞のパワーを思い知らされる日々になりました
都内各所からお客様のご来店がありました
新宿・世田谷・日暮里・青梅・木場・立川・西東京・小平・小金井・墨田・江東・府中・島しょ
多くのお客様と接していて感じることは「時計屋さんを探している」方がほとんどで、今回の記事をきっかけに「直せるか聞いてみよう」と行動に移してくれたようです。
「以前断られた」「諦めていた」「思い出深く処分出来ない」「機会があったら何とかしたい」「大切なものなので信頼できそうな所を探していた」「おたく(当店)で無理なら諦めることが出来る」等々、非常にありがたいお言葉の数々に恐縮しております。今回のご依頼品は修理自体のハードル(経年劣化・部品入手困難)が高いモノも多く、またメーカーさんで断られたお品物も諦めきれずにご持参頂くこともありました。
残念ながら「修理自体施すこと出来ず」「お客様予算との乖離発生」と返却のお品物もありました。
折角の機会ですので印刷したものをお客様にお渡ししています。
私自身の持っていた『新聞』の価値観が今回の経験で真逆になりました。
通常営業時より急いで作業はしたいのですが、お客様も多く日中修理作業進捗はあまり良いものではありませんでした。その分夜間に修理を行いフォローは出来ました。
修理作業において大切なことの一つに「依頼品寿命延長」があると強く感じているので、「急ぐことを理由に軽い修理はしたくない」と考えています。「普段より工程を省いた修理」「確認作業を怠る修理」「内外装洗浄を怠る修理」通常よりも納期短縮は出来ますが、それではお客様との「縁」が切れてしまうような気がしてなりません。
『やれる限りのことをして』結果が伴わなければそのようにお伝えします。
修理作業は『作業してみないと結果がわからない』『最終的な結果はクオーツであれば電池寿命だったり、機械式であれば動作時間や歩度で判断すること』ですぐに結果が出るものでもなく、お客様と共に時間を経て結果がでる所ありますが、出来る限りの作業をした上で不良がでた場合は私の力量不足になります。
折角のご縁あってのご依頼品ですので、大切なお品物を任せて頂けることに感謝し、これからもひとつひとつ丁寧に作業していこうと思います
朝日新聞デジタル
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