最近「磁気帯び」に起因する不具合が多く、困ったことになりつつあります。
昨年2月の記事に加筆して再掲出します。
ココから
最近のご依頼品にて磁気の影響からの不具合が複数ありましたのでご紹介します
身の回りには磁気発生源が多くあります。その磁力が電池式時計へ影響し不具合発生させることがあります
【簡単な説明】電池式時計は電池の電力をコイルを通し磁気に変化し、「ローター」を回しています。その為外部からの磁気の影響を受けてしまうと「止まる」「遅れる」等の不具合発生することあります。
「磁気帯び」理由としてはやはり「スマホ」「ガラケー」等スピーカーがあるものは危険な気がします。スピーカー自体に磁石使用しています。テレビやパソコンも同じです。
また磁気健康器具・充電式剃刀・冷蔵庫ドア・ハンドバック留め具等にも磁石使用されています。
密接にくっつくと磁気を受ける可能性あります。メーカーさんの説明では「5㎝離すと影響ありません」とありましたが、当店ではお客様に「念のため10㎝程度は離してください」と案内しています。
『ポケットのなかでスマホと時計が一緒になってしまった』『鞄にいれたら携帯電話等と時計が一緒になってしまった』『所定の置き場所がテレビのすぐ近く』このような状況で磁気帯びしてしまった例もありました。
今までは気づかなかった事例としては、メタルバンドへの磁気帯びも散見されるようになりました。
機械修理時は脱磁も必ず行う作業ですが、修理後に不具合のお申し出があり、数度修理実施、毎回磁気帯びで不具合発生、お客様は置き場所や置き方にも注意して頂き磁気帯びの危険性は減っている環境下、機械磁気は解消されているにも関わらず、数日後にまた・・・と複数回の不具合から、「機械」「ケース」「バンド」をそれぞれ別にして磁気帯び確認した所、バンド中留部への強い磁気帯びが認められました。
「つまり『機械部の脱磁』は完了しているものの、くみ上げ後、バンド残留磁気の影響を受け、再度磁気帯び状態になる」事例でした。
着いてしまった磁気はどうするか?
こちらの脱磁器を使用し抜きます
中央丸い部分へ時計を入れ、画像左上のボタンを押しますそうすると、磁気が発生し時計各針が通常よりも早い速度で回ります。
そこからゆっくり抜き出すと磁気が抜けます。通常時は年のため、複数回同様の作業します。
「なぜ磁気が抜けるのか?」理屈が判らないので、調べてみましたが
当店使用機械から考えると、「距離減衰」作用を利用して磁気を抜いているようです
こちらの説明文にもありますが、磁気を消去することは難しいようで「弱める」と書かれています。
日本電磁測器株式会社様 ホームページより
現在一般的に販売されている脱磁器はこのような形状のものが主流のようで、当店の脱磁器はアンティーク品です。何度か修理していますが50年程度経過していると思います。
磁気抜き効果はしっかりとあります。