時計用革バンドを交換する際に、大切な要素としてケース幅と、尾錠幅の2点の大きさの問題があります。
こちらの2点で注意することはケース幅や尾錠幅より狭いバンドを入れると隙間が発生し、使用中に動き擦れることで切れやすくなります。
当然幅広いモノは痛めて装着させることになるのでNGですね。尾錠にはブランドマークやロゴが入っていて、革バンド自体を交換しても尾錠は純正品ですので、全体のブランドイメージを損ねるようなことはありません。上記画像ではケース幅ピッタリですが、尾錠は専用品ではありません、交換時に合うバンドが無かったのではないでしょうか?
ブランド品に多くある事例として、『汎用品でケース、尾錠ピッタリのバンド』を探すことが難しい事が多いです。各ブランド毎にデザインの考え方があるようですね。
今回ご依頼品は、以前の交換時に専用中留の使用は諦め、汎用革バンドへ交換しましたが、やはり雰囲気が違うと思われ、革バンドが痛んだタイミングで純正中留使用出来るバンドお探しにご来店頂きましたが、やはり汎用品では見合う商品無く、「新規作成をご案内しました」。
新規作成とは職人さんへのオーダー品の事で、サイズ・色見・素材等、お好みで作成出来ます。
その分、料金は増します。
保管して頂いた革バンド
今回の新規作成分です
お客様からの要望事項は全てクリアーしたお品物が到着しました。
料金は割高ですが、良いお品物の販売が出来そうです。
バンドメーカーさんによると、「バンド作成職人さんの高齢化は進んでいて、5年後以降が不安」とお話ありました。素晴らしい技術ですので、是非継承し続けてもらいたいものです。
時計業界全体にも似たような事例が多くありますので、私共のような技術者は減っていく一方なのだと感じ寂しく思いました。
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