80年代終盤、日本で初にして伝説の野外ロックフェス「BEAT CHILD1987」
の様子を撮影したドキュメンタリー映画「ベイビー大丈夫かっBEAT CHILD1987」
を多摩センターに観に行きました。
(普段の映画館ではやってないので、初多摩センターでしたよ!)
ザ・ブルーハーツ
RED WARRIORS
岡村靖幸
白井貴子
ハウンド・ドッグ
The Street Sliders
BOØWY
尾崎豊
渡辺美里
佐野元春
と言う錚々たるメンツ!
始め筆者は、この映画の存在を知らなかったのですが、
facebook等で交流の有る方達がチラホラ行ってる方々が居て、
そのフェス参加メンバーがほぼ筆者のストライクど真ん中状態!
(当blogの好きなバンド楽曲ベスト10でも幾つか登場してますし)
国内初にして超悪天候の中強行された伝説のフェスと言う話題性も有り、
今後の映像商品化もされる予定が無い期間限定上映と言う事も有って、
これは観に行かないと駄目でしょ!って事で行って来ました。
冒頭、フェス終了後の散々たる状況から映像は始まります。
豪雨で地面は泥濘、と言うよりも田んぼ状態で、
お客さんが泥だらけに成っている衝撃的な映像で、
このフェスがどれだけ過酷な物だったかを、観劇者へ訴えかけます。
前日のリハは翌日の荒天が嘘の様なさわやかな天気の中、
参加バンドが上機嫌にリハをこなして行きます。
会場の設営風景では何と俳優の六平直政さん大道具スタッフとしてしっかり映ってます(笑)
筆者的に目を惹いたのがスライダースの蘭丸!
若い!!(笑)そして格好良いですね~。
そしていよいよ入場、お客さんもこれから起こる過酷な状況は知る由も無く、
ただ素敵な時間を想像してか期待に胸膨らむ良い表情を見せます。
しかし、いよいよ開演!と言う時に、会場を豪雨が襲い、
一気にお客さん達はか弱い小動物の様に蹲ったり避難し、不安の表情を浮かべます。
(この時にBOØWYのドリーミンがBGMで流れ、歌詞の「アスファルト泥だらけの靴破れ」
が、観客の過酷な状況とリンクして凄い突き刺さる)
そんな中、TOPバッターのブルーハーツが会場入り、
豪雨の中、送迎車から顔を出した甲本ヒロトが満面の笑みでカメラへ向かい
「ごきげんだなぁ~!」と声を掛ける。
それはこんな状況で強行する主催に対しての皮肉なのか?
それともパンク(ロック)はこんなの屁でもない、寧ろ掛かって来い!と
ロックの神に喧嘩を売っている様にも見える。
その言葉通り、意気消沈する観客へ向かい、前説的にステージへ登場し、
オーディエンスを煽り、大丈夫俺達はやれるぜ!と勇気付ける様に、
盛り上げ、この過酷な状況を耐え抜けるのか?そして開催すら不安視して居た観客は、
ヒロトの煽りと言葉で一気にテンションを上げ、沈滞した雰囲気を吹き飛ばす様に、
ライブをスタートさせる。
ブルーハーツは凄いオーラが有った。
一部にはラフィンノーズが不祥事で謹慎中に間隙を縫う様に
その地位にとって替わり、ドラマ主題歌やCMタイアップ等、
お金の力で人気を取った。と言う人も居る。
しかし、このステージングと客の盛り上がりを目の当たりにして、
ビッグバンドに成るのは、実力とカリスマ性と言うちゃんとした理由が無くては
成し得ない事なのだと、甲本ヒロトは凄いんだと改めて実感した。
この段階で、既に筆者は、この映画観に来て良かった~!と心の底から思っていた。
二番手はRED WARRIORS
今でこそヴォーカルのダイヤモンド☆ユカイは天然ボケタレントな存在に成っているが、
このバンドも間違いなく国内有数の伝説のバンドだ。
ギターのシャケは日本を代表するギタリストだし、ダイヤモンド☆ユカイは
これぞロックヴォーカリスト、ダイヤモンド☆ユカイだ!と凄い格好良さを見せてくれる。
三番手は岡村靖幸!
実は筆者は、この岡村ちゃんが一番見たかったのだ!
一二を争う大好きなアーティストだし、そんなデビュー間もない若々しい岡村ちゃんを
見れるって事で、凄い楽しみだった。
以前、岡村ちゃんのLIVEを実際に観に行ったけれども、
構成をきっちりやりすぎなのか、ちょっと予定調和感が強過ぎて、
本来のLIVEの楽しみ方としては、LIVEの良さが半減してしまってる印象だった。
(ライブDVD等の映像作品を見てる感覚)
しかし、今回は楽屋の様子も映し出され、レッズのシャケさんとワキャウフな交流の様子
が見れたり、また豪雨のハプニングも有り、キャラを作っていない生身の岡村ちゃんの様子も
見れたので、正直、生のLIVEを観た時よりも感動が強かった。
また演奏楽曲も大好きな曲2曲だったので、映画なのにノリノリでした(笑)
次に白井貴子さん
筆者は、実は白井さんって名前や顔は昔から知ってた物の、
本人と楽曲が一致してない方だった。
今回の出演アーティストで、唯一音源を全く持って居ない方だったので、
当初は中休みタイムの気分だった。
しかしこの白井さんの時に、会場の雷雨は最悪の状況に成り、
1時間半の中止に成る程だった。
ステージに出る直前の白井さんも、凄く不安な表情。機材もどんどん壊れる。
しかし、そんな最悪な状況でも客に話しかけ、勇気付けて歌い続ける彼女を見て、
凄い感動してしまった。
曲も知っている曲を演奏してて、凄い白井さんが好きに成ってしまった。
ハウンドドッグは、凄いフロントマンの大友康平さんも含めメジャーなバンドですよね。
メジャー過ぎて、あまり思い入れが無いバンドだったんですが、
印象的だったのは、楽屋での大友康平さんが、競演アーティストや、
現場スタッフを盛り上げようとしてる姿が凄い印象的で、
人柄が凄い伝わって来ました。
(実際、他にも凍える観客に、販売用のバンドタオルマフラーを無償で提供してたらしい)
ステージも流石の安定力。驚いたのがハウンドドッグってギターが上手いバンドだったんだな~
と言う発見が有った事。そしてラストのフォルテシモは圧巻でしたね。
THE STREET SLIDERSも大好き!
安定感バツグンで、多くは語りませんが、こちらもシートでノリノリでしたよ!
BOØWYも、格好良い!
ただ、このバンドだけ唐突に登場した印象が強かったかも(笑)
裏方での映像が全く無かったからかも?
雨に濡れるヒムロックは凄い格好良かったなぁ~
あと、これは別に悪く言う訳では決して無いんですが、
実際に感じてしまった素直な感想なので、正直に書きますが、
雨に濡れたで思い出しましたが、ギターの布袋さんは、
普段髪の毛を逆立てて居ますが、この日は雨に濡れてるので、
髪が立たずペッチャリして居たので、その身長と体系、そして髪型と顔の造詣で、
お笑い芸人のアンガールズ山根に見えて仕方が無かったのは此処だけの内緒です(汗)
尾崎豊は、シェリーしかよく知ってる曲が無かったのがちょっと残念。
渡辺美里さんの「19歳の密かな欲望」これも岡村靖幸の提供楽曲なんですよね。
って事で、岡村靖幸楽曲は3曲聴けたので嬉しかったな。
でもやはりこの曲は岡村靖幸ヴァージョンの方が格好良い気がする…
でもでも、マイレボリューションは感動だった!
って言うか、この曲大好きなんですよ!!!
正直、小室哲哉さんの楽曲の中では、TMネットワーク楽曲を差し置いて、
この曲が一番好き!って位好きです。
そんな好きな曲を、この伝説のライブの雰囲気で聴けたのが最高でした。
そしてオーラスの佐野元春。
最後の最後で雨が止み、空も白んで来た状況、
観客の憔悴しきった表情と、戦い抜いたんだ!と言う充足感の中で聴く
サムデイでのフィナーレ感は感動!の一言でした。
こんな過酷な状況に観客を追い込み、事故の危険も有るのに主催者が強行し続けたって事は、
決して美談にはしない方が良いと思うけど、しかしこんな状況でしか生まれ得ない
アーティストとオーディエンスの奇跡の関係には、心揺すぶられる物が有りました。
演者の人には、人の心を掴む才能ってこう言う事なんだって事を感じて欲しいし、
邦楽ファンには日本を代表するアーティストが集結したこのライブは、
是非一度は観るべきだと強く思いました。
本当にお勧めです!
上映期間も残りわずかだと思いますので、この文章を読んで興味を持たれた方は、
是非、上映して居る映画館へ脚を運んで欲しいです。
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ベイビー大丈夫かっBEAT CHILD1987公式web★