智の庭

庭の草木に季節の移ろいを感じる、日常を描きたい。

ワインとオペラコンサート その2

2009年08月12日 | 読書、観劇、映画

日が暮れて、テーブルに食前酒が配られ、いよいよ始まる。

ミエコお姉様とテノール歌手前田さん、ピアノ演奏藤原さん、の3人が登場。

メゾソプラノのお姉様の「夏は来ぬ」から始まり、

テノールの「ヴォラーレ」に続き、

デュエット「エーデルワイス」あたりで、私も心の中で一緒に歌っている。

以後、歌劇「サムソン・・」や「トスカ」や「カルメン」から名曲が続く。

すっかり気分が高揚し、拍手喝采の中で終わった。


食事が始まる。

ワインがメインなので、食事はおつまみ的な量で、

さすがオークラ、大変おいしいが、、、量がさみしい。

とはいえ、コンサートが付いて、お酒は次から次へと配られ、

13千円あまり。(サービス料こみ)

まあ、納得はいくのである。


メインディッシュのお肉料理に差し掛かったころ、突然、

ぐらーぐらー・・・ゆらーゆらー・・・

船酔いしそうなくらい揺れが始まる。

地震がおさまらないどころか、だんだん大きくなる。

「あきちゃん・・・関東大震災のはじまりかなあ・・・こわいよお・・・」

すると、天井のシャンデリアの揺れを手で抑えていたボーイさんがすーっと来て、

「当ホテルは、耐震構造になっており、地上の揺れより大きく揺れるようになっています。

ですから、このように揺れますが、どうぞご安心ください」

と説明された。

夫は「よし、わかった、ありがとう」と答える。

いやあ、彼の説明が無かったら、怖さのあまり、立ち上がり夫の隣に行くところであった・・・

それから、ノンアルコールのカクテルを口にして、落ち着かせようとしたが、味が分からない。

霜降りのお肉も、なんだか咽喉につかえる。


しばらくして、震度4の知らせを聞くころには、デザートが運ばれる。

「シャンパーンのシャーベットにコーヒーリキュール漬けのスイカ。」の案内。

夫がすかさず「こいつはまったくお酒が飲めないんだ」

ボーイ「アルコールは一応飛ばしてはいますが、少し残っているかも」

私「一口試してみます」

シャーベットを一口、深みのある味わいで大変おいしい!

が、通り過ぎた食道あたりから、かーーーっつ と熱くなる、

そう、これはアルコール入りだあ・・・、だめだ、食べられない。

微量で酔ってしまい、しかもいつまでも二日酔いから抜け出せない私。

さらに、今日は私が運転係。

ボーイ「バニラアイスクリームをご用意します。」



一連のホテルの対応にすっかり関心した夫は、いたく満足。

私は、満足した夫をみて、ほっと胸をなでおろす。

「たまには、こういうのもいいな、仕事ばっかりでは、、、愉しみもないと」

うれしいよ、あきちゃん。

周囲のテーブルは、かなり年配の方々が占め、白髪の夫婦が、品よくおしゃれしている。

そういう雰囲気の中で、私たちも、年を経て、このようなカップルでいたいと思える。

大切なひとときでした。