埼玉のかあちゃん社長奮闘記_サステナブルな毎日

起業して20年超。藍染めを傍らに太陽や風、星や花の声を聴きつつ埼玉とみなかみを行き来する埼玉のかあちゃん社長奮闘記です。

ひとり親家庭に向けた講演会での質問から

2006-02-20 12:10:21 | ライフ&ワーク
昨日、埼玉県母子福祉センターが主催する講演会にお招きいただく。テーマは「ひとり親家庭の就労と子育て」。いただいた1時間ほどのお時間の中で、自分の体験を交えながら、仕事をしていくということ、これからの子育てには何が大事かということをお話しした。

自己紹介の後、私の育った環境についてお話しする。「私は母子家庭で育ったんですよ。だからひとり親の子どもとして母に何を求めていたのか、その時どんな気持ちでいたのかお話しましょう」。小さな子どもを抱えてひとりで子育てをしているお母さんたちは、そんな私の話しを身を乗り出して聞いてくださった。「私は、母が言う3つの言葉が嫌いだった」と私。私が嫌いだった母の言葉は、

・どうせ私は・・・
・仕方ない
・お母さん、何もしてあげられなくてごめんね

だった。そんな話しにうなずく方、涙をためる方。私も話しをしながら泣いてしまいそうになった。これは、話をする身としてぐっとこらえる。そうして、そんな言葉を子どもに向けて言わないように自分に自信が持てる仕事をしましょう。今、仕事に満足できない方は日々の暮らしのために稼ぎながら、もう一方で自信が持てる仕事を作っていきましょうとお話しした。

そのほか「情報時代」の社会の特徴をお話しし、これからの子育てのポイントについて話すとあっという間に1時間。私はほっと一息つく。と、質問が。
「私は生活費を得るためにたくさん残業しています。子どもと向き合う時間を作りたいけれど、まずは日々暮らしていくことが先。なのに会社では男性社員が育児休暇を取ったり、育児のために定時でさっさと帰って行く。こういうのを見ていると腹立たしいのです。どう思いますか?」

・・・。

一瞬、言葉を失った。
私は、男性も女性も自分のワークライフバランスを取り、誰もが仕事も子育ても地域活動もできるそんな生き方ができる社会になるといいのに、と願っている。だから、育児休暇をとる男性が増えてきたことには大賛成。しかし、彼女の気持ち、それも分かる。その質問内容は、私にとってとてもショックだった。

答えは、
「無視しましょう。今はいろいろなバランスで暮らし仕事をしている人たちがいる。それができるようになったのです。それはすばらしいこと。でも、問題は、一方でひとりで子どもを育てている私たちのようなものが残業をしなければ暮らしていけない社会であるということです。ひとり親であっても昼も夜も働くような生活ではなく、子どもときちんと向き合う時間が作れる社会になるようにできることからやっていきましょう。」

そう答えても、その現実は知っていたつもりだったけれど、彼女の真剣さがとてもショックだった。彼女の気持ちは、とてもよく分かる。さて、今の私には何ができるだろう。

有限会社E-スタヂオ/中邨登美枝事務所

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