社長を辞めても、個人の人生がある

今朝、めざましテレビを見ていたら、社長向けの無料相談会を秋田県で開催しているという方が紹介されていた。自らも、起こした会社が倒産。自殺まで考えたがその後人生をやり直した体験を生かして、苦しむ経営者を救いたい、という思いで活動しているというのだ。

私も、会社の倒産を2つ見ている。
ひとつは、自分が生まれ育った実家。もうひとつは、夫が勤めていた会社。おかしな言い方だけれども、会社が倒産するということがどういうことかは、肌に染み付いた感覚だ。

毎年発表される自殺者数。
平成21年1月内閣府から発表された平成20年（2008年）1月から8月の自殺者数は、19858人。男性が14069人と女性のほぼ3倍。平成19年の統計では、無職者が半数以上で、自営業者の割合は10パーセントほど。

さて、私の場合はこうだった。
まず、小学校6年生12歳の時に生まれ育った家が倒産。唯一の身内だった母は蒸発。子ども3人がその町に残された。馴染んだ家から出て行くことになるが、自分の大事にしていたおもちゃにもすべて差し押さえの赤札が張られたのを覚えている。それから3ヶ月ほど、お金もなく、食べるものもなく、学校へ行く気もなくなり何となく生きていた。それでもその時に私は、10円玉を見ながら「ものごとには、裏と表が必ずある」と思った。今が裏だとしたら、生きていれば必ず、表が現れるときが来る。そのタイミングを、力をつけながら静かに待とう。

その後、繰り返し思ったことは、母が死ななくて良かった、ということだ。もし、この時「残された子どもたちがかわいそう」などと思い、無理心中などの選択をしていたなら今の私はないからね。

次。夫の会社が倒産したとき。
「人生の、転機じゃない」と思った。これまでやってきた自分の力を別の場所で試してみたらいいんだし、何よりこれまでがんばってこれた自分に自信をもって新しい道を歩めばよい。確か、（もと）夫にもそんなことを言ったような気がする。どうも男というのは、家族は自分が守らなければならないと思い込んでいるらしい。家族は、みんなで作ればよいのだから、自分ひとりで抱えて苦しんで、家族までも不幸にするような選択をしないで欲しい。倒産から1ヵ月後、割り切った彼は今まで以上に自分の能力を発揮して、張り切って仕事を始めたよ。

何よりこの時、私は思った。あー、経営者、社長本人じゃなくて良かった。つまり、会社の倒産で一番苦しいのは社長です。社員のこと、家族のこと、取引先のこと、たくさんのお世話になった方たちのことを考えたら、本当に死んでお詫びしたい気持ちになるのはわかる。だけど、死んでも何も解決しない。やっぱり、生きて、恩返しをするしかない。

で、今朝のめざましテレビ。
倒産を乗り越え、今は、社長の相談に無料で応じていると言う方の言葉。「社長を辞めても、個人の人生がある」。その通り。社長、父や母、夫や妻などいろいろな自分の役割を一度おろして、自分自身に戻って考えてみるといいと思う。社長ができるくらいの人だから、凄い力があるんですよ、皆さん！

ということで。
社長の責任、大変さ、身にしみているはずなのに、社長になってしまった私。物好きとしか言えない。だけど、それが私。私の人生。私の場合、自分らしく生きるために、仕事してるようなもの。こんな手のかかる人、誰も雇ってくれないから自分がやるしかないでしょ。だからこそ、すべて受け入れて、時々「個人」の自分と向き合ってる。（手洗い洗濯したり、お料理したりする時間はまさに、自分をつくる時間）辛いからね～、孤独だし。社長って。

さて、こんな自分と向き合いながら、今日も仕事するどー。

追伸：めざましテレビで紹介されていた方は、このNPOの方では・・・
NPO法人 蜘蛛の糸　http://www.akita21.com/kumo/

【今日の名言】
『星をつかもうとして手を伸ばしても、なかなかつかめないかもしれない。
　でも星をつかもうとして泥をつかまされる事はありません。』
　レオ・バネット

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とんさん大好物のノリノリラーメン。野菜をいっぱい入れて、作ったインスタントラーメンの上に、乾物の生のり（？）をトッピング。ミネラル、ビタミンたっぷりのお昼ご飯です！

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