1億円当たったら

「ママ、一億円当たったら何買う？」娘が突然聞いた。「うーん、借金返すでしょ。で、温泉に1度行く。それくらいでいいや。」と私。「それだけでいいの？」と娘。それくらいでいい。だって、欲しい物ないもん。手に入れたかった4000万円のマンションも、とりあえず今は必要なくなった。宝くじで当たったお金を使って事業を拡大するってのもなんだしなー。

「1000万円くらいもらって、後はいらないなー。」と私。
「ふうん。じゃあ、100万円当たったら？」
「借金返して終わるよ。ハハハ。」
ちょっと、悲しい笑い。

「じゃあ、あなたは1億円当たったらどうするの？」
娘に聞いてみた。
「全部寄付する」

・・・。
「どこに？」
「子どもたちのために使ってくれるところ」
「じゃあ、ママのNPOに寄付してくれる？」
「だめ、信用できないから。」
厳しい・・・。ちゃんと使ってあげるって！

その娘。学校から赤い羽根を持ち帰ってきた。
「ママ、募金してもいい？」
赤い羽根の共同募金について説明した後で、それでもしたいと言う娘。
「いいよ。でも、自分のおこづかいからしなさいよ。」
「60円しかない・・・。」

台所で料理を始めた私に聞こえるように、「1000円くらい募金したいよー」と言っている。ジャガイモの皮をむきながら、何でこの子はこんなことを言うのだろうと考えていた。
「自分にできることをしなさい。ママはお金を出さないよ～。」
そう私が言うと、あきらめて60円を袋に入れた。
「大人になって、自分でちゃんと働いてお金をもらったら千円でも１万円でも募金するんだね。まずは、自分の力で生きていけるように知恵をつけなさい～。大人は楽しいぞ。働いて、自分のお金で好きなもの買えちゃうもんね！うらやましいでしょ～。」

娘は、びみょーな顔で私を見ていた。

【今日の名言】
『私達は金を稼ぐために頭脳をもち、金を使うために心情を持っている。』
　ジョージ・ファーカー

【写真】赤い羽根。
私も小学生の頃、街頭に立って募金を呼びかけました。

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