再び。事務所移転と女の覚悟

この5月に営業拠点をさいたま市大宮区から浦和区へ移すことになった。2000年に個人事業で開業。それから7年。「フリーター（？！）」から、「個人事業者」になったのは子どもがまだ保育園に通っていた頃だった。子育てしながらゆっくりと「自分の仕事」をひとつひとつ積み上げるようにして歩んできて7年。いろいろなことがあったなあ。

夫が脱サラして、一緒に仕事をするようになった2001年。家族や夫婦だからこそつきまとう役割に縛られたところもあり、なかなか思うように仕事が進められず苦悩した数年。それにピリオドを打った2005年。この年は波乱万丈だった。9月に離婚、10月には個人事業を廃業して新しく事務所を借り「有限会社E-スタヂオ」としてスタート。その1週間後には、娘を連れて埼玉から生まれ故郷の群馬に引越した。今思えば、あの時の自分には一人で子育てする自信がなく、頼れる身内や友人のいる環境を選んだのと、とにかく自分自身が疲れてしまっていて、自分を取り戻さないと先に進めない閉塞感みたいなものがあった。

嫁いだ姉の家の近くに小さなアパートを借りる。
衣装ケースたったの4個から、群馬での田舎暮らしをスタートさせた。山の澄んだ空気と星空と温泉。懐かしい友人たちとの再会。冬の厳しい寒さに子どもの耳はアカギレに。夏には、家が揺れるほどの激しい夕立。ただ、雨が止むのを待つしかない真っ暗な時間がくれたものはなんだろう。

私は田舎暮らしの「不便さ」の中で、毎日、ただ毎日、生きることを考えて暮らした。私にとって必要なものはなんだろう？不要なものはなんだろう？貧しく不便な暮らしの中で、毎日、毎日、「私が生きる意味」を考えた。なぜ生きるのか、どう生きるのか。私にとって「豊かな暮らし」とはなんだろう。頭で考えたのではなくて、カラダ中で泣きながら笑いながら考えた。

群馬での暮らしを始めてから8ヵ月後、姉が離婚。嫁いだ家を出て行く。
再婚して新しい家庭をもつ父。「助けるから」とは言ってくれたけれど、私が仕事で帰れない晩に娘を預けることすらできなかった。気がついてみたら「頼れる」はずだった身内など近くにはいなかった。田舎の小さな家でたった一人で私を待つ娘。さいたまで仕事を終えて急いで帰宅しても8時。埼玉での仕事はどんどん忙しくなっていた。この頃の私は、毎日毎日泣いていた。2006年8月、田舎暮らしをやめる決断をする。

2006年9月。娘を連れて埼玉に帰って来た。
それから半年。

この1年、誰がどうみたって大きな無駄遣いをしたことに間違いはない。けれど、私はとっても大きな仕事をしたと思う。心の底から傷ついて、言葉にならないくらいたくさんの人に感謝して、生きていることがこんなにも大変なことで、素晴らしいことなのだと実感できたから。自分がこれから、どう生きて生きたいのか、自分にできることは何かを明確に認識できた。

私はこれから「仕事」を通して、私を支えてくれたたくさんの人に恩返しをしていきます。
私がしたいことは開業時と全く変わらず「たくさんの人が豊かな気持ちで夢をもって笑って生きられる情報化社会の実現」。そして、私に出来ることはやはり変わらず「人と人をつなぐ情報の活用を提案していく」こと。「人と人のコミュニケーション、思いやり、共感、愛情、つながり」そういうことを「情報化社会」である今、どう表現していくのか、そんなことを一生懸命やってみる。

こんな私の思いが通じたのか、2007年5月、月間100万PVをあげる（毎月10万PV程度アクセスが伸びている）埼玉県民のポータルサイト「イーシティさいたま」を運営する株式会社イーシティ埼玉と業務提携。私が作った小さな小さな会社が、埼玉県を代表するポータルサイトのコンテンツ運営をお手伝いすることになった。それに伴い、営業拠点を浦和に移転します。

2007年5月、有限会社E-スタヂオの新たなスタートです。

※この日記を書くために、過去のブログを読みました。生々しい記録。ブログって、すごいわ・・・。

【今日の名言】
『星をつかもうとして手を伸ばしても、なかなかつかめないかもしれない。
　でも星をつかもうとして泥をつかまされる事はありません。』
　レオ・バネット

【写真】浦和の新事務所
さいたま市浦和区の「さいたま商工会議所会館」。この7階、株式会社イーシティ埼玉さんと同居の事務所をオープンします。事務所開きは6月です！夢の実現に向かって、がんばるっ！！

有限会社E-スタヂオ
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