超入門(その3)に頂いたコメント;『万札印刷』に対する返答を今日は書きます。
私も基本的にその通りだと思います。
ところが、反リフレ派の人たちの中には、『そんなことをしたらハイパー・インフレになる』と、デフレまっただ中にインフレ(しかも、ハイパー)の心配をする人がいっぱいいるから本当に不思議です。 低体温症の患者を温めようとしたら、熱中症になったらどうすると心配するようなものです。 適切なところで温めるのを止めればいいだけです。 推測ですが、ひとつは『デフレは公務員にとって天国』であること。 もうひとつは、欧米とくにアメリカからの圧力があるからだと思います。
欧米は今、ドル、ユーロを刷りまくってドル安、ユーロ安で輸出産業と国内産業の回復に必死です。 円高の話ではいつも輸出産業ばかり話題になりますが、実は地方経済(輸出産業の工場がメインの地域は除く)にとっては、国内産業への影響の方が重大です。 フロー図で示すと、円高⇒輸入品が安くなる⇒国内産が売れない⇒リストラ・賃金カット⇒景気が悪くなる。 円安⇒輸入品が高くなる⇒国内産が売れる⇒雇用増大・昇給⇒景気が回復。だから、円安は輸出を増やすだけでなく、輸入を減らし国内産の販売を上げる効果があるのです。
ところが、日本も円安誘導してしまえば、欧米の通貨安が意味を無くします。 為替相場は相対評価ですから、日本一国が円高を引き受けることで、欧米の景気を支えているのです(日本の多くの民業を犠牲にして)。 実際、『日本も通貨安競争に参入したら、戦前の近隣窮乏化策と同じで戦争になる』とコメントしている反リフレ派のエコノミストもいます。
日本国憲法の崇高な理想を実践するコストだと考えるしかありません。 理想には犠牲がつきものです。 そうでなければ世の中、理想主義者だけになります。 現憲法(特に9条)を信奉する民間人は胸を張ってもいいでしょう(思想的には私はまったく逆の立場ですが)。 ただし、官にいて護憲を叫んでいる人たちは、自分が詐欺師であることを自覚すべきです。 血を流し、理想に殉じてこその理想主義者です。 口先で良い話をして、甘い蜜を吸うものを世間では、詐欺師と言います。
今日はここまでにします。 では続きは明日また。
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