永崎士道の建設業徒然なるままに、時々国防とグルメも

主に建設業の話題を書きたい。
私自身建設会社の社長だったので、
業者贔屓の発言も大目に見てください。

談合(カルテル)ブレーンストーミング(その8)

2012-06-12 | 談合
談合久しぶりです。

市場の外部性を解決するひとつの方法は、市場の枠を広げて外部を内部に取り込むことだった。
そして、成功したものもあれば(電電公社と国鉄の民営化、公害問題)、ほぼ失敗におわりつつあるものもある(金融自由化、地球環境問題)。

市場の枠を広げる⇒取引される『モノやサービス』(以下、モノ)の量が増える⇒使用されるお金(マネー)が相対的に少なくなる。
このままだとデフレになる。マネー価値が上がるデフレでは、お金を使って買い物をするよりも、使わないで持っている方が賢い(価値が上がっていくのだから当然)。しかし、消費が冷え込む⇒景気が悪くなる⇒企業業績悪化⇒減給、リストラ、倒産⇒ますます財布のひもが固くなる⇒デフレスパイラル突入。

戦前はこのデフレ・スパイラルから⇒失業者があふれる⇒恐慌⇒各国は切羽詰って金本位から離脱⇒紙幣を刷りまくる⇒通貨安競争(近隣窮乏化策)⇒英米仏がブロック経済を敷く⇒日独が対外膨張⇒戦争になった。

戦前の通貨制度は、金本位制度⇒金(ゴールド)にお金の量が縛りつけられていた。金本位を捨てない限りデフレに打つ手なし。

戦後は金本位を捨て、管理通貨制度⇒原則、各国の中央銀行が紙幣を刷って貨幣の量を増やせる。デフレなら紙幣を刷れば済む。

1980年代後半から進んだ自由主義政策で、市場は急拡大。当然、マネーを増やす必要があるし、事実増やしてきた。しかし、中央銀行も神ではない。急拡大した市場に対応した完璧な貨幣量はわからない。

お金はモノを買う手段(交換価値)と同時に、モノの価値を決める基準でもある。ところが、紙幣を自由に増やせるようになると基準自体が動いてしまう。戦前は金が基準だったが、上述のように失敗した。

そこで、マネーにマネーを評価させることにした。つまり、だれでも自由にお金でお金(外貨、債券など)を買えるようにした。市場価値の高いマネーは高くなるだろうし、そうでないのは安くなる。それを基準にすればよい。外貨預金は、円で外貨を買うことである。
とことが、金融の自由化は、あらゆるものを金融商品にして値段をつけ、さらに市場を広げていった。またまた、マネーを増やさなければならなくなった。
もはやニワトリが先か、卵が先かの堂々巡りである。

リフレ派(日銀はもっと万札を刷れという人たち)と反対派の喧騒も、結局適切な基準をどこに置くかの見解の相違。


今日はここまでにします。


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