今日もう一回だけ、超入門やります。
昔は名目GDPが見出しに、実質は説明書きのように小さく新聞に載っていたものだ。 ところが最近は、実質が見出しで、名目は付けたし扱いである。 一流大学の教授たちが、『実質では円高になっていない』、『実質ではデフレとはいえない』、『名目はマイナスでも、実質ではプラス成長している』と、実質を強調するからだろう。
『実質』は英語の『real』の訳だ。 realは『真実の』、『現実の』という意味だから、普通に考えれば実質為替や実質GDPが名目よりも、真実あるいは現実に近いという印象を持ってしまうのも当然かもしれない。
ところで、実質を強調する先生がたは、東京大学や一橋大学、あるいは財務省、日銀など官の側に多く、基本的に反リフレ派、増税派である。 一方、リフレ派(日銀に万札を刷れという人たち)は名目重視が多く、早稲田大学の若田部教授、学習院大学の岩田教授、エコノミストの三橋先生、高橋先生など民の人たちが多い。
リフレ政策⇒万札が増加⇒円の価値低下⇒円安。 反リフレ政策ならこの逆になるから、どちらも理論的には整合性はしっかりしている。
ただし、これを言ったら理論も何もないが、円高デフレは給料の下がらない官に都合がよく、物価以上に給与が下がる民には都合が悪いからだろう。 しかも、円安誘導は絶対に欧米(とくにアメリカ)が赦さないだろうし、財務省や日銀幹部たちも国際会議で彼らと喧嘩する度胸もなく、むしろ世界銀行などへの天上がりで籠絡されている可能性も否定できない。 事実、世界銀行や国際協力銀行は彼らの重要な再就職先である。
繰り返すが、実質の為替もGDPも、99.9%の日本人にはまったく意味がない。 唯一意味があるとしたら、実質的に貧乏くじを引かされているのが、これら99.9%の人たちだからだ。
今日も読了ありがとうございました。 おやすみなさい。
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