永崎士道の建設業徒然なるままに、時々国防とグルメも

主に建設業の話題を書きたい。
私自身建設会社の社長だったので、
業者贔屓の発言も大目に見てください。

談合は、必要悪-悪=必要だ (その5)

2012-09-02 | 談合

指名入札では、発注者が業者の生殺与奪権を持っている。 先生の力を借りても、最終的には役所次第である。 先生は落選するかもしれないが、発注者に倒産失業はない。 絶対つぶれない者が一番強い。 落選した先生と二人三脚だった業者の末路は、とくに哀れだった。

バイパス工事の(部分)開通記念事業で、ある業者が協賛金を払わなかった。 所長にすぐ呼び出されて『(延長)工事はしばらく休んでもらうからな』と言われたそうだ。 それから8年、その業者はいまだに休んでいる。

先生を頼る時ほど、役人の面子を立てなければならない。 先生は一足飛びに、所長の所に行くが、業者も同行したらとんでもないことになる。 

一番下っ端の主任から、係長、課長、次長、所長と形式的にでも了承を貰っていかなければ(実質は鶴の一声で決まっている)、後々嫌がらせをされる。 高校時代の同級生も、『土建屋が議員と一緒にエラソーにしていると本当に腹が立つ』、『書類の粗さがしなど仕返しする方法はいろいろあるからな』と語っていた。

書類の粗さがしは、役所がよく使う嫌がらせだった。  

『一通りチェックしてほしい』と頼んだら、『間違いがあれば先を読む気がしない』といわれ、その都度会社に持ち帰って修正したことがある。 意味のある間違いはもちろん、長音とダッシュ、改行の場所、インデントの幅など、まったく意味のないところまで逐一修正を要求された。 再度伺うと、仕事があるからと1時間近くも待たされ、用紙3枚程度の書類を提出するのに、一日半かかった。

工事書類でやられると、現場監督が悲鳴をあげて会社を辞めてしまう。 指名権のある所長クラスはもちろん、下っ端の主任レベルにも嫌われないよう最大限気を遣わなければならない。 やらなかった業者は、一時威勢が良くても、ほとんどが消えてしまった。

今日も読了ありがとうございました。 

 

 


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