ここ10数年、日本の国家権力の行使対象を見ていると、強い厄介な相手を避け、弱い御しやすい相手だけを厳しく取り締まっている気がしてならない。
一番記憶に新しいのは、尖閣諸島での中国漁船体当たり事件である。 公務執行妨害、領海侵犯を行った犯罪者を、政府は地方検察局に責任を押し付けて無罪放免にしてしまった。 また、国際環境テロリスト・シーシェパードの捕鯨調査、イルカ漁妨害活動でも、実に寛大な処置をしている。
中国毒餃子事件では、死者発生一歩手前までいきながら、政府当局と日本のマスコミは実に公正中立な態度だった。 当初、日本に責任転嫁した中国の言い分を反論もせず丁寧に垂れ流し、最後の最後で責任を認めたときには、大臣が『中国の捜査当局の努力に感謝したい』とお上手まで言っていた。 日本企業の食品偽装では、健康被害がまったく発生しなくても、企業を倒産するまで袋叩きにし、以降、微に入り細にいった規制強化を進めたのとは実に好対照だった。
欧米の司法当局が、日系企業のカルテルを厳しく取り締まり、数百億円もの賠償金を略奪しているのに、日本の公正取引委員会は、欧米企業をただの一社も取り締まっていない、超内弁慶の国家権力である。 私が公取の調査を受けた時、超内弁慶の話を調査官にしたことがある。 三十代と思われる彼は、『若手は外資もやろうと言っているが、幹部たちが「外資をやったら政治マター、国際マターになる」といって腰が引けている』と苦々しく語っていた。 公取も外資を厳しく取り締まり、日本の国際収支黒字に貢献してほしいものだ。
日本の政府当局、国家権力は、外国の大物犯罪者には実に寛大である。 一方、政府・企業のバックがない小物犯罪者には、人種偏見丸出しで厳しいようだが(東電女子社員殺害事件のように)。
今日はここまでにします。 おやすみなさい。
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