(その22)のコメント『日本自治区はやっぱり嫌だな 』への回答。
まず、自治区になる想定は沖縄だけです。 本土は独立国として臥薪嘗胆します。 沖縄独立派がマイノリティーであることは、おっしゃる通りです。 桜井よしこ氏も沖縄タイムスなどの偏向報道を繰り返し批判していますし、知り合いの沖縄の人からも聞いています。
ただ、日本の国防上最大の問題は、『国防など、しょせんは人ごと』という天然平和ボケです。 『沖縄を日本の領土として命をかけてまで守る必要は無いな』と考える人は、まだましな方です。 ほとんどの日本人は、そこまでも考えていません。 妻も、『尖閣と戦争』より『洗濯と洗剤』のほうが何万倍も重要なようです。 人ごとを自分事にする何らかのきっかけがない限り、どんな物事も有効に機能しません。 従業員一人一人が、会社経営を自分事として考えない限り、莫大な財産や優秀な技術があっても、早晩倒産するのは確実です(第三セクター、公社のように)。 グアム経由のシーレーンによる原油騰貴は、すべての日本国民の生活を直撃します。 人ごとを自分事にするきっかけとしてもっとも有効だと思います。
日中戦争から始まる大東亜戦争でも、東京や大阪などの都市住民は、自分の頭の上に爆弾が落ちてくるまで、まったく人ごとでした。 戦争を当事者として意識していたのは、兵隊を供給していた東北と九州だけです。 井上寿一著の『日中戦争下の日本』を読めばよくわかります。
また、日本が原爆を開発できなかった一番の原因は、湯川秀樹博士のサボタージュにあります。 同じく開発の責任者であった理化学研究所の仁科芳雄博士が戦後、近しい関係者に話したそうです。 敗戦後すぐ、彼はノーベル物理学賞をもらいましたが、事情を知る関係者の中には、『サボタージュを欧米に評価されて、敗戦国人なのに受賞できた』と言っている人もいるくらいです。
その他の開発でも、優秀な技術者ほど人殺しの兵器作りに罪悪感と嫌悪感をもっていました。 戦中、ゼロ戦の後継機開発に従事し、戦後は新幹線開発の責任者になったある技術者は、終戦の勅語を聞いて、『これで人殺しの道具を作らなくて済むと思いホッとした』と語っています。
これでは原爆開発を自ら申請したフォン・ノイマン教授や、魚雷開発を先導したアインシュタイン教授のいるアメリカに勝てるはずがありません。 神の名のもと異教徒を一億人以上殺してきた欧米人は、大量殺戮を正義と信じれる伝統があります。 正反対に、飛鳥・奈良時代から借りモノ思想の中に理想郷を夢見、『海外では宝探し、国内ではあら探し』ばかりしてきた日本のインテリ・エリート(官僚、学者、マスコミ幹部)の多くは、国防に対して無関心、無責任な理想主義あるいは反日自虐思想に染まっています。 そして、彼らとその言説に洗脳されている準インテリ・準エリート(学校教員、公務員、私大卒レベルの人)たちが、日本の最大の急所なのです。
このたびの尖閣、竹島報道を見ても、日中韓三者の主張を同列に論じる偏向ぶりにはあきれるばかりです。 なぜ、『日本固有の領土だ』、『中韓が手を引けば、すべて丸くおさまる』と産経新聞以外言明しないのか。 反日自虐思考のインテリ・エリートたちと、それを信じ購読・支持する準インテリ・準エリートたちが、相互に共鳴し合って反日自虐を拡大生産しているのです。
先の大戦で、科学技術が戦争の帰趨を決めたように、これからの戦争は、ハイテク技術と情報・プロパガンダ戦で決まります。 そして、そのハイテク技術と情報を扱っているのは、インテリ、エリート、準インテリ、準エリートたちです。 無教養な軍人たちが知識労働者の尻を叩いても、反感を買うだけで成果は上がりません。 成果を出すには、自発的協力が絶対必要です。 湯川博士も、軍人たちの権力をかさにきた督促を心底憎んでいました。 だから、彼らが自らの偏向、反日自虐とおバカさ加減に気付く核爆弾級のショックがなければ、またサボタージュされ負けます。
今日は長くなってしまったので、回答だけで終わります。
今日も読了ありがとうございました。 おやすみなさい。