前回は金融業とソフト産業を一括りに虚業産業としたが、ちょっとソフトに失礼すぎるので、虚業は金融だけにして、ソフト産業はそのまま呼ぶことにする。 言いたいことは、両者は分業のすそ野が狭く、就労人口が少ない。 だから、失業者の吸収にあまり貢献しないということだけ。
金融・保険業の一人当たりGDPは1,800万円に近い。 日本の労働人口が約6,500万人だから、仮に全員が金融・保険業に就労したら、単純計算で1,170兆円、アメリカを抜いて世界一になる。 経済を成長させるには、製造業より金融・保険業がはるかに効率が良い(机上の計算では)。 リーマンショック前まで、喧しかった『金融立国論』も、一人当たりのGDPの高さにある。
しかし、日本人は製造業を尊び、金融業を軽視する傾向があるが、正しい認識である。 繰り返すが、金融業の多くは虚業である。 とくに、金融工学と呼ばれる20世紀後半から発達した手法のほとんどは、虚業にすぎない。
14、15世紀から発展した貨幣経済が、経済取引を便利にしたことに疑問の余地はない。 それ以前の物々交換では、経済学でいうところの『欲望の二重の一致』が必要だったが、それを不要にした。
今日も読了ありがとうございます。 おやすみなさい。
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