せっかく東京まで出てきたんだから・・・
30数年振りで東京タワーへ昇ってみた。建設から半世紀、さぞや閑古鳥が鳴いているかと思えば、押すな押すなの大盛況。土曜日の夕方だから混むのかもしれない、チケット購入からエレベーターに乗るまで40分を要した。
◎大展望台(150m)大人820円/こども310円(4歳~就学前)
小学校2年か3年の頃、初めての東京見物で東京タワーに昇った。出掛けに履いた真新しい靴でかかとの皮をむいてベソをかき、山手線の浜松町駅から父がオンブしてくれた・・・しかし展望台から見た景色は何も覚えていない。
◎大展望台より東側夕景~
老舗の、世界貿易センタービル(右端/1970年完成40階152m)も後から建った高層ビル群に吸収されて目立たない。東京はいつからこんなにニョキニョキと高層ビルが建ったんだろう。日本で初めて超高層の名を冠した霞ヶ関ビル(1968年完成36階147m)は尋ねなければ見つけることすらできない。
◎陽はつるべ落とし、大展望台より西側夜景~
左側のビルが六本木ヒルズ森タワー(2003年完成54階238m)で高さランク国内第8位。東京タワーの大展望台からも思わず見上げてしまう。戦後の焼け野原を歩いた人はこの復興ぶりを見て目をまるくするだろう。ネオンに輝く大都会は美しい。しかしこの夜景は幾多の問題を内に孕みながら一千万都民と一億国民の将来を背負っている。
帰りの都営バス停[東京タワー]から見た東京タワーの巨大な足。
高さ333m、重さ4000トンの鋼材を4本の脚で支え自立している。
都営バス[品川駅東口経由品川車庫行き/系統・浜95甲]で品川駅を目指す。
低床式のバスに乗るのは初めて。コテツの席は運転席すぐ後ろの小児用、父さんは後部の一般用席と離れて座る。都営バスは乗車時に運賃を払う。大人200円、小児(6才以上)100円で全区間均一。地元で乗り慣れている路線バスは降車時に乗った分だけの運賃を払うのでちょっと戸惑う。JR浜松町駅を過ぎれば辺りの景色は一変、人通りもまばらで急に寂しくなる。伊豆七島行き東海汽船が出る竹芝桟橋を過ぎベイエリアの倉庫街を抜ける。途中、降車ボタンが鳴るたびにコテツが心配そうにチラリチラリと振り返る。およそ40分ほどで品川駅東口に到着、ささやかなバスの旅を終えた。旅先でその街の生活空間に浸るのは楽しい・・・品川駅も見違えるほど立派になった。さあ、あとは新幹線に乗るだけ。1時間後、三島駅北口にかあさんが待っているよー。
◎本家本元、お薦めの「東京案内」はこちら~今日12月19日、岩波写真文庫が新たに東京シリーズで5冊復刻する。
《追伸》~12/20
復刻版岩波写真文庫が届いた。
東京生まれの川本三郎さんが5冊の東京を選んだ。
白山眞理さんの解説「写真文庫ひとくちばなし」が今回も冴えわたっている。