寅の子文庫の、とらのこ日記

本が読みたいけど本が読めない備忘録

立ち上がるヒロシマ1952~岩波写真文庫アーカイヴス

2013年09月27日 22時12分52秒 | 岩波写真文庫
とらのこ日記の中断から既に9カ月。もうこのまま閉鎖しても良かったのだが、今夜、ふと再開しようと思った。それは岩波書店から嬉しいニュースがあったからだ。岩波写真文庫30冊が復刻したのが2007~2008年。全286タイトルの内、わずか30冊とは余りにも寂しかった。しかし意表を突いて7月26日、B5横版135頁という出で立ちで1冊の写真文庫が上梓されていた。実は今日、それが届いた次第~「本書掲載の写真は、名取洋之助(1910-1962)と長野重一(1925-)が、岩波写真文庫の72号『広島-戦争と都市』(1952年8月6日発行)のために撮影した106本の35ミリネガから選んだ。ほとんどが、今回初めて公開されるものである」(後文)


◎岩波写真文庫アーカイヴス『立ち上がるヒロシマ 1952』
かって、『グラフィックレポート 日本人のふるさと~高度成長以前の原風景』という岩波写真文庫全286冊から厳選された写真で仕上げたB5版174頁の冊子が発刊されたことがあったが、今回の試みは、原子爆弾で焼野原になった広島の街が如何に戦災から立ち上がろうとしているかを鮮明な写真で如実に表わしている。前者の広く浅くに対し、一気に深くえぐり取ったという感がある。頁をめくる度に、人はどうしてこんなにも強く逞しくなれるのだろうかと訝しくもなる。


◎グラフィックレポート日本人の原風景/竹内啓一編著(1995年2月24日1刷)


岩波写真文庫アーカイヴス 立ち上がるヒロシマ1952
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広島―戦争と都市 (復刻版岩波写真文庫山田洋次セレクション)
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日本人のふるさと―高度成長以前の原風景 グラフィック・レポート
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岩波写真文庫286冊、おちゃのこショップへ新着UP始めました。

2009年12月07日 20時53分31秒 | 岩波写真文庫
夕食時に明日12月8日は何の日?と問いかけてみた。
バアバは真珠湾攻撃の日、嫌な戦争だったねえ・・・ご尤も。かあさんからはジョンレノンが撃たれた日・・・ご尤も・・・。しかし寅の子文庫が開店した日とは誰の口からも出てこない・・・そう、オンライン古書店古本寅の子文庫は5年前の明日、12月8日にネット上に開店したのだ。

これまでのご愛顧に感謝しつつ、蔵書からとびきりの岩波写真文庫1セット分、全286冊を選りすぐって新着UPを開始した。今回は、[おちゃのこショップ]限定、従来の本棚(古本寅の子文庫の、見てたのしい岩波写真文庫の本棚1~3)とは別在庫品となる。保存状態の良いナンバーを選んだので、蒐集家の厳しい目にも堪(こた)えられると思う。5年という年月を節目としてまた初心に返り、毎日コツコツ新着UPの修行を怠らぬこと。何事も継続はチカラなのだ。


埋もれていく良書をコツコツと拾い集めたい。
今後ともご厚情賜りますよう衷心より伏して御願い申し上げます。

おちゃのこショップにいよいよ、岩波写真文庫登場します。

2009年11月17日 20時36分15秒 | 岩波写真文庫
岩波写真文庫との出会いは、恐らくは東京神田の小宮山書店であったと記憶している。まだ駆け出しの営業マンで、ふらり時間つぶしに覘いた奥の2階か、3階へ上がる階段の途中の棚に、無造作に平積みしてあったのを手にしたときの感動をまだ鮮烈に憶えている。以来20数年、この小冊子の虜となり、より保存状態の良いナンバーを買い求める旅?が始まったのだ。今回、おちゃのこショップの本棚にUP予定の全286冊は、寅の子文庫本店売場本棚とは別の在庫であり、文字通り「寅の子」の286冊放出となる。
●新着UPは11月下旬以降予定しています。
古本寅の子文庫の、おちゃのこショップ


◎グラフィックレポート日本人のふるさと/1995年2月24日初版
本書は写真文庫各ナンバーより写真を選りすぐった。
1950年代に生きた日本人の暮らしを一冊に集約している。
◎ブログ内関連記事~グラフィックレポートの本棚から(06/2/7)

岩波写真文庫111『熊』

2009年09月23日 04時26分35秒 | 岩波写真文庫
乗鞍バスターミナルでツキノワグマが観光客等を襲った。怪我を負われた方々にはお気の毒としか言いようが無い。そして今回に限らず大抵の熊たちは地元猟友会により射殺されてしまう。殺されてしまう熊たちも気の毒だと思う。境界線を犯したのは熊か人間か、判決は容易には下らないだろう。生き抜く為に彼等も必死なのだ。テレビのニュースを見て蔵書の中から一冊引っ張り出してみた。



利根川上流、宝川温泉の小野伊喜雄氏が熊狩りで生け捕った生後二ヶ月くらいの仔熊(オスのコロスケとメスのコロ子)が、乳や蜂蜜を貰いながら人々に愛され成長していく記録である。2枚目の画像では生後2歳を越えて大きく育ったた二匹が露天風呂に浸かり旨そうにビールを飲んでいる。氏によればビールをラッパ飲みして、グーグーといびきをかいて寝てしまうそうである。


◎岩波写真文庫111【熊】1954年1月10日初版/定価100円

岩波写真文庫の本棚へ全286冊UP更新中!

2009年08月21日 09時23分46秒 | 岩波写真文庫
岩波写真文庫の本棚がスカスカになってきたので、
自分の蔵書の中から極上の全286冊を投入しようかと腹を決めた瞬間、不思議なものでほぼ1セット分(271冊)の買い取り依頼が舞い込んだ。バインダーなしの保管ということで背の傷みが気になりもしたが、それでも並の中以上が160冊ほど。昨日からコツコツUPを始めている。


◎No124水害と日本人/1954年9月5日初版
昨年、一連の復刊時に期待をかけたが当選ならず残念。このナンバーは狩野川台風や伊勢湾台風を知らない、水害の危険を大いに警鐘したが間にあわなかった。災害は忘れた頃に必ず来る。

山田洋次セレクション~岩波写真文庫全5冊復刊

2008年12月10日 09時21分55秒 | 岩波写真文庫
遅い投稿になったが先月/11月27日、
シリーズ第6弾となる岩波写真文庫5冊が復刊された。


・No072[廣島]~戦争と都市/初版1952年8月6日
・No132[日本の映画]~社会心理的にみた/初版1954年12月15日
・No199[子供はみる]初版1956年9月25日
・No257[村と森林]初版1958年3月25日
・No285[沖縄]初版1958年12月20日


今回の復刻は映画監督の山田洋次氏がセレクト。
一連の復刊も通算して30冊を数える。

森まゆみセレクションの岩波写真文庫5冊復刊発売。

2008年06月27日 14時38分23秒 | 岩波写真文庫
6月25日、森まゆみさんがセレクトした5冊の岩波写真文庫が復刻発売された。


・汽車の窓から~東海道/初版1954年(No113)
・農村尾婦人/〃1954(121)
・忘れられた島/〃1955(148)
・ソ連中国の旅~桑原武夫/〃1955(159)
・離された園/〃1956(188)



「忘れられた島」と「離された園」は全286冊中、共に一番人気。
其々、左側に極めて保存状態の良い初版本を並べてみる。
蒐集家はこの2冊を求めてネットの古本屋を彷徨う。
そして今回の復刊をどれだけ待ち望んだことか。


これで昨年9月からスタートした岩波写真文庫の復刊もシリーズ第5弾、今回発売の「森まゆみセレクション」で通算25冊が復刊されたことになる。中古市場で人気の写真文庫も近年では売値が右肩上がり、浮かれて寅の子文庫も法外な値段で2冊(忘れられた島・離された園)を売ったことがあるが、どうやらこの辺で一息つきそうな気配。


3セット集めた写真文庫も、もう今は自分の為の1セット(286冊)しかない。
それでもまだ程度の良いナンバーを探して飽きない。

復刻版岩波写真文庫、森まゆみセレクション

2008年05月27日 12時43分22秒 | 岩波写真文庫
とうとう復刊するのかー。
いつも通っている文教堂のレジーでふと目に留まった。
岩波書店の新刊2008年6月号を一部貰った。


復刻版岩波写真文庫、森まゆみセレクションが6月25日発売される。
今回の5冊はちょっと凄い。
・農村の婦人~南信濃の(121)
・汽車の窓から~東海道(113)
・忘れられた島(148)
・ソ連中国の旅~桑原武夫(159)
・離された園(188)
5冊セットで3,675円(各冊共735円)

岩波写真文庫~田中長徳セレクションで5冊復刻

2008年03月12日 07時15分55秒 | 岩波写真文庫
岩波書店より岩波写真文庫の復刻シリーズ
「田中長徳セレクション」全5冊が発売された。今回、巻末の「写真ひとくちばなし」は白山眞理さんが「レンズ」のみ、「写真」「やきもの町」「パリの素顔」の3冊をデザイン史研究の森仁史さん、「本」は岩波編集部で担当されている。


・No008写真/初版1950
・No009レンズ/〃1950
・No100本/〃1953
・No165やきもの町~瀬戸/〃1955
・No194パリの素顔/〃1956


2007年9月に赤瀬川原平セレクションで始まった復刻版もこれで4シリーズ全20冊となった。収集を始めた20余年前には店先のワゴンセールに100円で無造作に並んでいた写真文庫も近年ではプレミアが付き神田の古本屋界隈でさえ滅多に見ることはない。寅の子文庫の「岩波写真文庫の本棚」でも人気のナンバーはUPした途端に売れてしまう。



面白い本を見つけた。
「岩波写真文庫~名取洋之助の仕事/魚住まや」2000年発行A4判72ページ。装丁もホンモノに似せて興味をそそられる。個人による発刊なので同人誌的な色合いが強い。所謂、岩波写真文庫の歩き方である。これ1冊あれば何も知らない人でも岩波写真文庫の概略というか風袋としての感触、イメージが伝わってくる。

東京案内2007年12月15日~東京タワーに昇る。

2007年12月19日 07時26分31秒 | 岩波写真文庫
せっかく東京まで出てきたんだから・・・
30数年振りで東京タワーへ昇ってみた。建設から半世紀、さぞや閑古鳥が鳴いているかと思えば、押すな押すなの大盛況。土曜日の夕方だから混むのかもしれない、チケット購入からエレベーターに乗るまで40分を要した。
◎大展望台(150m)大人820円/こども310円(4歳~就学前)


小学校2年か3年の頃、初めての東京見物で東京タワーに昇った。出掛けに履いた真新しい靴でかかとの皮をむいてベソをかき、山手線の浜松町駅から父がオンブしてくれた・・・しかし展望台から見た景色は何も覚えていない。


◎大展望台より東側夕景~
老舗の、世界貿易センタービル(右端/1970年完成40階152m)も後から建った高層ビル群に吸収されて目立たない。東京はいつからこんなにニョキニョキと高層ビルが建ったんだろう。日本で初めて超高層の名を冠した霞ヶ関ビル(1968年完成36階147m)は尋ねなければ見つけることすらできない。


◎陽はつるべ落とし、大展望台より西側夜景~
左側のビルが六本木ヒルズ森タワー(2003年完成54階238m)で高さランク国内第8位。東京タワーの大展望台からも思わず見上げてしまう。戦後の焼け野原を歩いた人はこの復興ぶりを見て目をまるくするだろう。ネオンに輝く大都会は美しい。しかしこの夜景は幾多の問題を内に孕みながら一千万都民と一億国民の将来を背負っている。


帰りの都営バス停[東京タワー]から見た東京タワーの巨大な足。
高さ333m、重さ4000トンの鋼材を4本の脚で支え自立している。


都営バス[品川駅東口経由品川車庫行き/系統・浜95甲]で品川駅を目指す。
低床式のバスに乗るのは初めて。コテツの席は運転席すぐ後ろの小児用、父さんは後部の一般用席と離れて座る。都営バスは乗車時に運賃を払う。大人200円、小児(6才以上)100円で全区間均一。地元で乗り慣れている路線バスは降車時に乗った分だけの運賃を払うのでちょっと戸惑う。JR浜松町駅を過ぎれば辺りの景色は一変、人通りもまばらで急に寂しくなる。伊豆七島行き東海汽船が出る竹芝桟橋を過ぎベイエリアの倉庫街を抜ける。途中、降車ボタンが鳴るたびにコテツが心配そうにチラリチラリと振り返る。およそ40分ほどで品川駅東口に到着、ささやかなバスの旅を終えた。旅先でその街の生活空間に浸るのは楽しい・・・品川駅も見違えるほど立派になった。さあ、あとは新幹線に乗るだけ。1時間後、三島駅北口にかあさんが待っているよー。

◎本家本元、お薦めの「東京案内」はこちら~今日12月19日、岩波写真文庫が新たに東京シリーズで5冊復刻する。


《追伸》~12/20

復刻版岩波写真文庫が届いた。
東京生まれの川本三郎さんが5冊の東京を選んだ。

白山眞理さんの解説「写真文庫ひとくちばなし」が今回も冴えわたっている。

JCI Iフォトサロン、岩波写真文庫の展示見てきました。

2007年12月16日 10時44分31秒 | 岩波写真文庫
『にっぽん1950年代「岩波写真文庫」の世界』を見てきた。
写真文庫制作の裏舞台にはこれまで無関心だったが、そこにも当然のごとく人間ドラマが存在し、そのあたりのいきさつが新鮮で思わぬ収穫となった。1階では作品編として・名取洋之助が撮った「忘れられた島1955」・東松照明の「やきものの町1955」・熊谷元一の「一年生1955」・薗部澄(駅と周辺1953-55)のパネル展示、また地下1階には写真文庫全286冊の現物展示があり圧巻。モノクロームの情景に遠い日の記憶が総天然色で忽然と甦り重なったとき、人は郷里の山河を思い、生まれ育った町を愛していたことに気づくだろうか。私も亡き父を思い、八十を過ぎた母の背中を優しくさすらなくてはと思う。


◎作品編展示&資料編展示ともに12月24日(月)まで
場所:JCI Iフォトサロン(日本カメラ博物館)
東京都千代田区一番町25番地JCI Iビル1階&地下1階
TEL(03)3261-0300
アクセス:東京メトロ半蔵門線半蔵門駅5番出口より徒歩3分/駐車場なし



早起きさせられ、おノボリさんのコテツは、
でんしゃがどーしてじめんのしたをはしるの???

復刻版岩波写真文庫、川本三郎セレクション5冊

2007年12月11日 07時45分31秒 | 岩波写真文庫
気が付けば寅の子文庫はこの12月8日で開店3周年を数えた。有り難いことにグーグル検索『岩波写真文庫』も依然首位をキープしている。先週、急遽かき集めで173冊をUPしたばかりだが既に30冊以上売れた。画面の向こう側でご覧くださるお一人お一人と繋がっているようで胸が温まる。いつも人気のナンバーは早々と売り切れてしまうが1冊だけご紹介。地形図を見るのが楽しいという方に是非お薦め。地味で目立たないナンバーだが「いぶし銀」の味わい。


■No114・地図の知識/1954年3月20日初版


地図の歴史から最新の測量方法(S29当時)や当時使用されていた地図の記号を多数紹介。ちなみに拡大ページでは[橋]の記号を写真で説明している。その当時にはこんな粗末な橋が1/25,000の地形図に掲載していて「歩いて渡る橋」とある。今の世には決して通用するはずもない危険な橋を朝な夕なに渡り、学び舎へ通うこどもが頼もしい。


◎岩波写真文庫は12月19日『川本三郎セレクション』として5冊復刻販売される。

・No019川~隅田川
・No047東京~大都会の顔
・No068東京案内
・No112東京湾~空からみた自然と人
・No201東京都~新風土記
・復刻版写真文庫・川本三郎セレクション5冊セット

詳細は、岩波書店の、新刊紹介~復刻版写真文庫、川本三郎セレクションのページ

JCIIフォトサロンニュース~にっぽん1950年代・岩波写真文庫の世界

2007年11月22日 11時29分18秒 | 岩波写真文庫
普段在りえない、また思ってもみないような好事に遇ったとき、隠語(業界用語)で『お化けが出た』という。深夜の羽田空港で、たまたま乗せた客の行き先が群馬の伊勢崎だったりすると、タクシーの運ちゃんにとってそれは所謂当たり客で、翌日には、夕べ羽田でお化けが出た云々などと仲間内の話題にすぐのぼる。住谷修の『青宵愚談/S24年』では「伊勢崎まで行きたいのですが」と乗せたはずの若い美しい娘が目的地に着くなり忽然と消えてしまい、座席だけがクッショリと濡れていたという、こちらは同じ「お化け」でも真打ち登場なわけで、民俗学者の今野圓輔氏が『日本怪談集・幽霊編/教養文庫S44年』の中で紹介しているが、ホンモノだけは何としても御免蒙りたい。実は先週、寅の子文庫にも「お化け」が出た。岩波写真文庫の本棚にあった213冊の在庫が一度に全部売れてしまった(ただ一人のお買い物で、)という嬉しい「お化け」が出た。だから今、売場本棚に写真文庫は1冊もない。遣り繰りして月末には150冊程度は揃えるつもりではいるが、こんなときだからこそ他の本棚には売り上げを稼いで貰わなくては困る、日々の新着本を怠るとこういう時に痛い目に遭う。


前置きが長くなったが先日、日本カメラ博物館の白山眞理さんから封書を頂いた。中身を拝見すると、『にっぽん1950年代・「岩波写真文庫」の世界』と題して展示会のお知らせが入っている。最近では上京の機会もあまりないが開催期間中、是非訪問してみたいと思う。
展示会日程は次のとおり。

◎作品編JCIIフォトサロン~11月27日(火)~12月24日(月)
~東松照明、長野重一、名取洋之助、薗部澄、熊谷元一氏が撮影した写真作品展示
◎資料編JCIIクラブ25~12月11日(火)~12月24日(月)
~同資料編として岩波写真文庫全286冊の展示
◎講演会 飯沢耕太郎と読む「岩波写真文庫」~12月22日(土)13:30-15:30
※講演会については定員80名早いもの勝ち
上記いずれも入場無料、開催時間10:00~17:00

会場所在地
東京都千代田区一番町25番地JCIIビル
1階JCIIフォトサロン・地下1階JCIIクラブ25
(地下鉄半蔵門線・半蔵門線駅下車、5番出口から徒歩3分
お問い合わせ(一般の方)03-3261-0300

詳細は、日本カメラ博物館の、JCII(ジェイシイアイアイ)フォトサロンのページをご参照まで。

《追記》11/26


東京のKさんから今日、案内の葉書を頂戴した。

岩波写真文庫『戦争と日本人』が復刻されて/赤瀬川セレクションから

2007年10月07日 06時08分05秒 | 岩波写真文庫
[戦争と日本人]1953/8/15~初版復刻なる。


No101[戦争と日本人~あるカメラマンの記録/2007/9/27/第1刷]

右は1987年に『復刻ワイド版/シリーズ戦争の記録』で復刻されたときのもの。初版と今回の復刻では同じ1枚を比べても解像度が良くなっていて掲載写真の差し替えは見つからなかった。ワイド版との相違は、44頁2番目の空襲惨劇(瓦礫の写真)が両者共同じ1枚の写真を使用しているが、ワイド版の瓦礫全体のアングル(撮影したままを掲載か?)に対し、初版・今回の復刻とも瓦礫の中の犠牲者を生々しくクローズアップしている。またワイド版目次頁に掲載した愛児、死の写真へ追加挿入されていたコメント(2行白抜き)は無くなっている。今回の復刻は初版同様B6判を踏襲したが個人的にはA5判が好きだ。先にB6判(初版・今回復刻)を見て、次にワイド版(A5判)を見たとき、版の大きさの違いの為か、ワイド版(A5)のほうが写真に端切れがない。→(42頁1番の函南村畑温泉疎開の写真を例にとると、ワイド版には右端に郵便ポストが見えているが、ワイド版を見ずに先に初版・復刻を見るとポストが在ることが分からない~ほんの端しの一部分しか写っていない・・・といった具合。)何はともあれ、このナンバーが復刻されて嬉しい。(復刻にペタンと貼った丸い大きなシールは邪魔なら簡単に剥がすことができる)

あるカメラマン=「影山正雄」は本名で、写真家・影山光洋として世に知られている。


[ある報道写真家の見た昭和30年史]雄鶏社1955年1月10日1刷B5判216頁


[写真昭和50年史~あるカメラマンの半世紀]講談社1975年1月20日1刷A5判167頁


[芋っ子ヨッチャンの一生]新潮社1995年4月25日/著者協力影山智洋/A5判131頁
芋っ子ヨッチャンの一生 (フォト・ミュゼ)
クリエーター情報なし
新潮社

激動の昭和という時代のド真ん中を歩き、半世紀にわたり撮り続けてきた社会の記録と自身のご家族の記録。もし柔道や剣道のように写真にも「道」があるとするなら、影山さんは大いに「写真道」を極められたのではないだろうか。影山さんは1907年(明治40年)に生まれ1981年(昭和56)に世を去った。しかし、その記録写真はいよいよとばかり輝きを増している。

《サイト内関連記事》
影山正雄(光洋)の写真、の記事(2006/9/14)
岩波写真文庫『戦争と日本人』売り切れ、の記事(2005/2/4)
岩波写真文庫の中から~1枚の写真、の記事(2004/12/31)


戦後腹ペコ時代のシャッター音/岩波写真文庫再発見

2007年10月06日 06時06分53秒 | 岩波写真文庫

【戦後腹ペコ時代のシャッター音/岩波写真文庫再発見】
赤瀬川原平/2007年9月27日第1刷/B6判215頁

本書は赤瀬川原平さんがシリーズ全286冊から24冊を選び解説を付けた。
同時に社会篇5冊/科学篇5冊として計10冊、初版復刻の願いが叶った。

・No003『南氷洋の捕鯨』●
・No005『アメリカ人』
・No008『写真』
・No021『汽車』◆
・No013『心と顔』
・No034『電話』
・No035『野球の科学~バッテイング』
・No044『蛔虫』◆
・No049『石炭』◆
・No048『馬』◆
・No065『ソヴィエト連邦』●
・No067『造船』
・No068『東京案内』
・No078『近代藝術』
・No094『自動車の話』◆
・No101『戦争と日本人~あるカメラマンの記録』●
・No118『はきもの』
・No143『一年生~ある小学教師の記録』●
・No183『日本~1955年10月8日』●
・No190『家庭の電気~実際知識』
・No193『塩の話』
・No194『パリの素顔』
・No199『子供は見る』
・No286『自然と心』

●印→今回復刻の[社会篇]
◆印→  〃  [科学篇]