昨年10月、自覚症状(食後、ミゾオチに疼痛)からエコー検査で胆石が見つかり、体に地雷を持っているようなもので(いつ爆発してもおかしくないなどと脅かされ)普段なんでもないときに手術をしたほうが良いとの診断に新年早々1月17日から27日まで三島中央病院に入院した。通常、胆石の手術は石だけを取るのではなく、胆のうそれ自体の摘出手術を言う。費用は患者十割負担で約70万円、仮に発作後の手術では先ず胆のう及び肝臓の炎症を投薬により鎮める治療が優先されるので入院期間もそれだけ長くなり、かかる費用も100万前後になるという。勿論、国民健康保険に加入しているので本人3割負担で21万、総額100万にしても30万という訳だ。しかし、一時的にも結構な出費には違いないので念のため入院前日、役場へ相談してみれば良い制度があるので是非使いなさいと教えてくれた。即ち、『高額療養費制度』を利用すれば、既に支払いを済ませた一定額以上の高額医療費は申請して戻ってくる、そしてその方法よりも、入院時に『国民健康保険限度額適用認定証』を提示すれば最初から一定額以上の支払い(今回の場合84,180円/各市町村また前年の所得によりその額は変動する)をしなくて済むといい、その場で保険証を作ってくれた。
●国民健康保険限度額適用認定証
入院時に保険証と一緒に提示するだけで最初から3割負担額の支払いをしなくて済む。このほうが、あとから申請して戻ってくるよりいい。但し精算は一ヶ月単位なので二ヶ月にまたがるような入院には精算が割れて高額医療費(今回は84,180円)に届かない場合もあるので注意のこと~今回のような短期入院(10~20日程度)では月初めに入院してその月に退院できるよう計画を立てる=会計精算が翌月にずれ込まないような日程にする必要がある。
●1月17日入院
4人部屋はベッド代がかからないので気が楽。カーテンで仕切られた一人のスペースは250×200cm。ベッドは手動上下式のパラマウントベッドでやや硬め。テレビの下は冷蔵庫になっている。ロッカーケースは上中下3段式でなかなか使い易い。これから約二週間、21時消灯~6時起床の規則正しい生活が始まる。
1月19日、手術前日の夕食後、下剤を飲んだが、通じがあまりなかったので翌朝(当日朝)浣腸を入れた。手術開始は午後1時半、まるでテレビのER(緊急救命室)を見ているような・・・手術台の上のライトがまぶしい、酸素マスクを2~3度吸ったかと思えばもう意識がない。全身麻酔で手術後の回復も早い『腹腔鏡下手術』(小さな穴を4箇所開けてテレビモニターを見ながら鉗子で胆のうを摘出する)。患部に炎症等なかったので1時間ほどで終了したが麻酔から目覚めたのは夕方だった。腹腔鏡下手術には賛否両論があるが、一般の開腹手術(お腹を何十センチも切るような)と比べると術後の痛みが少ない、回復が早く入院期間も短い、傷跡が殆ど気にならない等の長所がある。
●画像は抜糸の跡、円内が穴を開けた位置で全部で4箇所。腹腔境を差し込んだお臍の穴が一番大きい。胃の上側位置に開けた穴から鉗子を入れて胆のうを摘んで取った。
●手術当日は観察室(ICR:Intensive Care Room)で集中ケア、翌日には個室へ移った。個室は差額料金1日5,000円の負担にはなるが術後の痛み、寝起きの苦痛を思えば自動ベッドだけでも有りがたい。ホテルのようで居心地が良く4日間も居座って再び4人部屋へ帰る。
入院中の食事は各人が其々違うメニューでよく管理されている。
1日に必要な摂取カロリーはおよそ1900カロリー。これでは小腹がすいて夜も寝られないが、誘惑に負けず摂生したおかげで入院時72kgだった体重が退院時には67kgまでに落ちた。人間は腹一杯食べて安穏とするよりは少しぐらいひもじい思いをしたほうが元来備わっている生命維持装置?が活発になり頭も冴え亘るのだ。
●1月19日、手術前日の朝食
●1月21日、手術翌日の夕食
手術後はパン粥から始まり、三分粥・五分粥と胃腸を慣らしていく。
●食事は見晴らしの良い食堂で食べる(4階)
東京方面からわざわざ富士山を見たくて入院に来る人もあるそうだ。
手術翌日から若い看護師さんたちに尻を叩かれ、リハビリ開始(歩け歩け運動)。院内を探索がてらにとにかく歩く。
●業務用のコイン洗濯機を見つけた。
200円入れると1回洗濯ができる。街のコインランドリーに置いてある回転ドラム式とは大違い。四角四面の外側は頑丈にも鉄で出来ている、メーカーは洗濯機では定評のあるサンヨー電機。長期入院患者さんが使うのかもしれない。
●1月24日~4階個室から箱根山の日の出を見る。
左側のノッポビルは県東部で一番高い三島本町タワー(21階)約90m。
この頃には術後の痛みも幾分和らいで入院生活は退屈になる。
●これが胆石。
大きいもので1cmぐらいあったが、手に取ったりしているうちに砕けてしまった。人により石も大小個人差があるようだ。
●1月27日、退院当日のスナップ。
気になる会計精算は国民健康保険限度額適用認定証を事前に提示したおかげで〆て119,210円(十割負担約70万円のうち、本人負担84,180円+α/35,030円[室料差額代+食事等自費負担])、ストレートに3割負担では21万+αだったので最小限の出費に押さえることができた。
昨年9月には80kgあった体重もこの日67kg。
入院したときが72kgだったから11日間で4kgも落ちた。
日頃の不養生が祟り痛い目にも遭ったが、これも転重軽受(重きを転じて軽く受く)ということか。折りしも昨日が節分で今日は立春。少しずつ少しずつ、無理をしないでまた一日ずつ、遅れを取り戻せばよい。
~寅の子文庫再開しました。
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