朝5時、新聞配達の空が風雲急を告げている。
雨の合間を縫って自転車を走らす。
清清しい朝焼けの空も好きだが
寒冷前線のいたずらで疾風が吹いたり
にわか雨がパラパラ落ちてくるような雨空も好きだ。
この分厚い乳房雲の上にも陽光は燦燦と降り注いでいるだろう。
いつもの配達先で、毎日同じように
その向かいのお宅の犬と顔を鉢合わせる。
年老いてか、小屋の中でブルブルと身体を震わせながらこちらを見ている。
元気だせよー。
口には出さずとも、そんな思いでじっと見つめ返してやる。
それが犬小屋の外で、背を向けたまま身体を横にしていた。
翌日見ると犬の姿はなく、犬小屋にコップ一杯の水が置いてあった。
臨終の時は人間にも犬にも平等に必ず訪れる。
田んぼからすくってきたホウネンエビはいつか死に絶えて
水槽の中では手足の生えたおたまじゃくしが溺れていた。
えら呼吸から肺呼吸に変わる変体の不思議。
すぐに石コロで浅瀬を作る。
この時期なら水槽の外でも雨で大丈夫だが
梅雨が明けたら到底生きられぬ。
子供たちの観察には手軽で便利だけど
生きものの観察は本来、自然の中へ出掛けてしたほうが良い。
先週、一週間で返す約束で捕ってきた[コクワ]と[ノコギリ]も
今度の日曜、コテツは潔く返してくれるかなぁ。
最近NHKの受信料を払った。
これで当分の間は大威張りでテレビが見れる。
井上靖の原作とはまるでかけ離れているが『風林火山』が面白い。
大河ドラマを見るのは『利家とまつ』以来だ。
利家とまつにはアルゴリズム体操をと、ひそかに期待していたー・・・
ピタゴラスイッチで勘助と由姫と板垣の息のあったコンビを見てみたい。
五島列島のKさんから5度目の注文があった。
九州方面の長雨による被害を教えて頂く。
冊子小包を乗せた連絡船は無事に着いただろうか。
定本柳田國男集の初版本36巻に注文が入る。
しかし荷造りの途中でキャンセルになった。
初版本は全巻通じて漢字が[旧字体]表現だがそれでは読めないという。
新装版の[新字体]もいいが初版本の昔の字体には独特の味わいがある。
漢和辞典をめくりながらでも初版本をお薦めしたい。
出版社で裁断処分を免れたトラック一杯分もの買い取り打診があった。
お金も場所もないし、お声掛けの謝意に10冊だけならお付き合いと申し出れば
逆に10冊ならばお金は要らぬと無料で送って貰う。
サラリーマンを辞めてから携帯はほとんど受け身になった。
余った基本使用料はかあさんの携帯が全部食ってしまう。
およそかかってくる処は全部登録していて
たまに知らない番号をぶっきらぼうに出れば
買い取りの依頼で慌てる。
朝から晩まで一日中、古本屋のことを考えて飽きない。
刻一刻と世の中が変化していくように
お店の姿形も買い手のニーズに合わせて変化を求められている。
寅の子文庫も生き残るために変わるかもしれない。
この2週間新着の手を休んでそんな思いに耽る。
昨日、一昨日とそんな思いを他店の方とメールで話してみた。
普段相互リンクでお世話になってもなかなか連携はできない。
誰も其々に真剣な面持ちで(画面を通してそう解る)、お店の構築に余念がない。
たまにはこんな情報交換も楽しい、大いに励みになった。
一昨日の買い取り査定の返事が済んだ。
夕べの注文分をようやく梱包、
今からコンビニのクロネコメール便に出しに行こう。
ポストを見れば宛名不明で大阪から返却が一件ある。
一日一日がどんどん過ぎていく。
思いはとめどなく溢れては流れ、忘れられていく。
オンライン古書店たるもの
新着本の毎日UPと本1冊注文への感謝を忘れないこと。
まだまだ修行が足りぬ足りぬ。