寅の子文庫の、とらのこ日記

本が読みたいけど本が読めない備忘録

さりさり、さりさり、縄ないの音。

2008年05月30日 15時16分28秒 | オンライン古書店
昔は何処の農家も夜なべをして野良仕事に使う縄をなった。
こどもはお年寄りの縄ないの手伝いをした。縄ないの音を「さりさり」という。父さんも小さい時分に祖父が稲藁をなう「さりさりと」という音を耳にした。その音は今でも明瞭かつ新鮮な響きで甦る。


【駿東の子/詩でつづる駿東文園50年史】昭和53年/非売品

『なわない』
さりさりさりさり さりさり
なわないの音だ。
父のふかした たばこの煙が
すうーっと 天井に消えて行く
静かな なわないの音だ
原里小高二/横山清
(昭和4年1月)

時代は移り、日の暮れるまで富士の裾野を駆けて遊んだ駿東の子らも今はテレビゲームに夢中で、縄ないの音など知らぬであろう。

いつもの文教堂で少々高かったが日本語オノマトペ辞典を買った。
オノマトペとは擬音語・擬態語の意味。
ものを擦り合わせて出る音を「さりさり」という。
これまで似たような辞典はいくつか見たが
どれも「さりさり」は出ていなかった。
この辞典には「さりさり」が出ている。



擬音語・擬態語4500 日本語オノマトペ辞典
小野 正弘
小学館

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買ってからまた気が付いた。
自分でアフェリエイトしてから買えばよかった。

島秋人著遺愛集。

2008年05月29日 11時02分36秒 | オンライン古書店
書庫から溢れ出た本をブックオフとアマゾンで掃かせている。
ブックオフで引き取り不可になったがアマゾンに出したら注文となった。


昭和42年11月2日、巣鴨刑務所にて死刑、享年33歳。
【遺愛集/島秋人】東京美術選書9/H7年新装11版

・ふきあがるさびしさありて許されぬクレヨン欲しき死刑囚のわれ
・笑む今の素直になりしこの命在るとは識らず生かされて知る
・身に持てる優しさをふと知らされて神の賜はる生命と思ふ
・この澄めるこころ在るとは識らず来て刑死の明日に迫る夜温し

復刻版岩波写真文庫、森まゆみセレクション

2008年05月27日 12時43分22秒 | 岩波写真文庫
とうとう復刊するのかー。
いつも通っている文教堂のレジーでふと目に留まった。
岩波書店の新刊2008年6月号を一部貰った。


復刻版岩波写真文庫、森まゆみセレクションが6月25日発売される。
今回の5冊はちょっと凄い。
・農村の婦人~南信濃の(121)
・汽車の窓から~東海道(113)
・忘れられた島(148)
・ソ連中国の旅~桑原武夫(159)
・離された園(188)
5冊セットで3,675円(各冊共735円)

いつかやって来る日。

2008年05月04日 06時25分25秒 | 生活手帳
通い慣れた馴染みの個人商店が店を閉めた。












「綜合食品平川商店」
店内に一歩踏み入ると空気が変わる。
懐かしい匂いがした。
わざわざ大型スーパーへ行くまでもない。
ちいさなお店だけど何でも揃っている。
店先にはミカン箱を逆さに置いて季節の鉢を並べた。
膝が痛いバアバの買い物袋をおじさんが配達してくれた。
子ども会のお祭りの焼きソバもお店から仕入た。
ご町内のことはお店で聞けば分かった。
通学路に面して防犯になった。
お店が開いていれば子らは安心して通った。
あの暑い夏の日、
自転車をこいでアイスキャンディーを買いに行った。

いつかやって来る日は突然訪れる。
まだ続けてほしかった。
安らぎがひとつ消えた。


◎追記、09年5月24日

何処にでもある風景、建物は解体されて今はアスファルトの駐車場。


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