のんびりとサスペンスドラマを見た。
舞台が伊豆の下田、爪木崎だからだ。
もう20数年前の事、 私たち仲間4人組は熱海まで新幹線で行き、
レンタカーを借りて伊豆を1周したのだった。
爪木崎の水仙を見たかったのだ。
下田で泊まり、爪木崎、下田をウロウロしてその後西伊豆へ廻った。
泊まった宿は友達が見つけてきた宿で、すごく大きい宿だったが
なんと私達しか泊まっていなかった。
4階に大風呂があり、すぐ目の前に寝姿山が見えた。
節約しているのか、他の階には電気がついてなく、
暗くて4階のお風呂に行くため階段を登ると
踊り場には赤い打掛が飾ってあり、不気味だった。
たしかに部屋は改装され、きれいだった。
朝食は別の部屋に呼ばれた。
壁からはコンセント口が飛び出ており、
カーテンはレールから外れ
ふすまはあけるとギシギシ言った。
おばあちゃんがお味噌汁を持ってきてくれたが
ふすまがギシギシ。
外れて倒れてくると思い、思わず「きゃーっ」と言ってしまった。
私たち4人が集まり、今まで行った良い旅館と悪い旅館の話になると
必ずこのA旅館の話が出て
「いったい誰が見つけてきたのかしら？」と言って
B子さんを困らせる。
B子さんが新聞屋でもらったクーポンを見せ、
改装済みだし、
平日だし、4人で泊まるし、このクーポンがあるしと
彼女がここを勧めたのだ。
しかし行ってみると大きいけれど大丈夫かな？という感じだった。
B子さん曰く、たしかに場所がわからず、
タクシーの運転手に聞くと「えっ」と言った感じだったよね～。
私たちは随分一緒に旅行をしているが
必ずこのA旅館の話が出てくるのは
旅館はすごくいいか、すごく悪いかの方がいいのかもね。
だって他の旅館はそんなにはっきり覚えていないもの。
爪木崎から古い古い思い出の旅行話になってしまった。
友達に「今、爪木崎が舞台のドラマやっているよ」と連絡すると
オーライとの返事。
やっぱりみんな爪木崎にはそれぞれの思いがあるんだな～。
あの旅館今もあるのだろうか？
