理容士のおばさんにウインクをするべく、勇んで散髪に行く。4時からだから5分前に着く。まだ早いな。前の人がまだ
散髪してるだろう。ここは車の中でタバコをするか、はたまた店内で、雑誌を読むを取るか。わずか5分のことなので
店内に入る。いらっしゃいませ。にぎやかな元気な声が響く。ああおお。黒のミニスカートじゃないか。後姿が目に入る。
いつになく華やいだ服装。まさか私に合わせた服装?。若く見える。後姿。時は10月ハロウィンの季節。どういう話題
からウインクしてやろうかと考えていたら、実はと来た。店をたたもうと思うんです。こんなおばあさんの私でも結構
いいお金で雇ってくれるんです。やっぱり資格ですかね。定年60歳まで社会保険賭けて、もっと働けるかもしれない。
時間的にも自由がきくし、週休二日。介護もできる。そうか―やめるのか―。こんないい散髪屋さんはほかにない。
どこかいいところがあったら教えてほしい。涙が出そうになって目が瞬く。まだまだウインクできない。お支払いをして
少しおまけをしてくれた。ありがとうね。やっとウインクできました。怪訝な顔で彼女もウインク。今日はウインクの日。
説明をして納得してくれた。こんなに心置きなく話ができる女性はいませんよ。寂しくなります。また見かけたら声します
お互いに目を瞬かせて、再び会うまでの別れのウインク。お約束。お客さん目にゴミが入ったんですか。うんにゃ髪の毛が
入ったの。かみわんよ。ダジャレのエールを送ってわかれます。最後にしっかり握手した。別れのウインクごちそうさま。