一歩一会・・・♪

日々のお仕事の事や、趣味、旅行関係についての自分記録♪

見知らぬ子へ

2010年06月07日 | こんな本読んでみました♪
息子が「本売りに行くからいらんの出して!(金に換えてそれポッポに頂きの意含む)」
・・・と言うので本棚整理。
これも・・・売ろうかな・・・と思った詩集を開き目にとまったこんな詩。

     見知らぬ子へ   辻征夫

  何だかとてもおこりながら
  すたすた歩いて行くおかあさんのうしろから
  中学になったばかりかな?女の子が
  重い鞄をぶらさげて
  泣きながらついて行く

  ときどき振り向いて
  いいかげんにしなさいと
  おかあさんは叱るけれど
  悲しみは泣いても泣いても減らないから

  やっぱり泣きながらついて行く

  あんなに大きな悲しみが
  あんなに小さな女の子に
  あってもよいのだろうかと
  とあるビルからふらりと出て来た
  男のひとがかんがえている

  そのひとはね ちいさいときに
  とても厳しいおかあさんがいて
  男の子は泣くものではありません!て
  あんまりたびたび叱られたものだから
  いつも黙っている 怖い顔のひとになっちゃったんだ

  そのひとは(怖い顔のままで)
  きみのうしろ姿を見ていた
  それから
  黙ってきみに呼びかけた
  振り向いて ぼくを見てごらん!

  涙でいっぱいの まっ赤な眼で
  もちろんきみは振り向いて
  黒々と立っている 見知らぬひとを見たのだけれど
  そのひとが 黙ったまま
  こう言ったのは通じただろうか

  もうだいじょうぶだよ
  なぜだかぼくにもわからないけれど
  きみはだいじょうぶだとぼくは思うんだ
  でも泣きたいときにはたくさん泣くといい
  涙がたりなかったらお水を飲んで

  泣きやむまで 泣くといい



お母さんの気持ちが分からんでもないのがツライところ(笑)・・・と言いつつ
ジー・・ンと来る詩です。
ピラピラめくってよかったな・・・って事で本棚へ戻す。
こういうのは、やっぱり置いておかないとね・・・。

どの本だか分かんないけど、5円の値がついてるのがありましたぞな・・・(涙)。