保養施設で出会った人達は、どの人もみんな印象深い人達でした。
精神の静養をしにその施設に滞在しに来ていました。
そこに、アル中で静養しに来た人がいました。その施設ではアルコールは飲めないのです。
アル中のせいで、独特の悲壮感と苦難の刻まれた赤茶の顔色と表情をしていて、人と親しく関わるとかしない人でした。
煙草スペースはあったので、ヘビースモーカーでした。
私が簡単なステンドグラス風の小絵画を作っていると、みんなが見に来てアイディアを加勢してくれたのですが
そのアル中のおじちゃんも、私の作りかけの絵に「これ、あわび?」と話しかけてくれ、意外でした。
社交上手に人と接したりできない、悲壮感漂う人でしたから。「ううん、カカオ」と答えました。
そのおじちゃんは、繊細な心持っていて、優し過ぎて、世の中に潰されてアル中になったように見えました。
彼は、まともな神経をもった人でした。 自傷行為をするおばちゃんを私が止めた時も、一番近くに来てずっと見ていました。
普段は大人しくて哀愁漂う人で、社交下手な人です。私は彼のことも、ずっと忘れません。