集落の神社で毎年7月に「淀」という神事があり、集落に住む男児(小中学生)が行います。
その神道儀式に際して「燈明銭」を集落中の家から貰いに行く役目もかれらがします。
私はかつて燈明銭を出すのを断った事があります。子どもがいない時。
我が家は浄土真宗のお寺の門徒ですが、神道は好かないので。思想や宗教の自由があって、
例えばクリスチャンだと当然断るでしょう。でも貰いに来る子どもは、当然のように
自動的に徴収しに来るんです。大人が悪い。ちゃんと教えないから。
私の子どもも毎年参加しないといけなくて(断ってもいいのですが)、
今年も一緒に燈明銭を貰いに集落の持ち場を回りました。
言い方はきちんと教えました。
”今晩は。7月○日にある「淀」の燈明銭●●●円を、できれば、お願いします。”
その家庭が決める自由があると教えました。当然のように徴収するのは間違ってる。
私が見守る中、息子はちゃんと言いました。できれば って。
すると 出た人達は クスっと笑って「はいはい、ちょっと待ってね」と言って
持って来ました。思想信条はそれぞれだから断ってもいいのですが、全戸、払われました。
冷えた缶コーラを子どもにくださったり、1000円渡してお釣りを出すと「お小遣い」と
言ってくださったり。
うちの集落に、とても謎めいた美人な独身女性がいます。昔からとても綺麗で、
今は50代後半だけどやはり綺麗で、おばちゃんという感じではない。
だけどっていうか、前見た時よりもより一層綺麗でした。歳は重ねていて白髪も増えていて。
あまりの美しさにドキー!!っとしました。
その人のお家にも行き、燈明銭を貰えるか 子どもが訊くと 彼女もクスっと微笑んで
「はい、少々お待ちください」と洗練された言い方で言ってお金を取りに行きました。
その女性も、神道儀式の燈明銭を、子どもに、当たり前のように徴収させるのはおかしいと
思っていたのではないかと思いました。断ってもいいのですが、出してくださいました。
そして「●●さん(私の母)によろしくね」と言って家に戻られました。