ブリヂストンA工場で働いて、私が見たもの、私がしたこと、私に起きたことを発信します。

職人のおじちゃん

2020-06-06 | 建築・インテリア

最近うちの改築に携わって尽力してくださっている職人のおじちゃんがいます。

白いタオルでねじり鉢巻きをした、絵に描いたような職人さんです。

その人は、家具も作れる、バスパネルやキッチンパネルもアクリル板も自分で切って施工できる、

コーキングもできる、左官みたいなこともできる、色んなことができる職人さんです。

大工や建具屋などの施工者には、「せからしかったい」「ええがええが」という感じで

雑なやっつけ仕事をする人もいる中、(参照:業者の姿勢の違い

おじちゃんはとても創作心がある人で波長が合い、大好きになりました。

 

左官のおじちゃんも似たタイプで、芸術作品を作るように仕事に向き合われます。

出窓の所に貼るタイルが足りないので、私はガラスの破片や貝殻を埋め込むことにすると

「ちょっと待って」と言って、白い下地を急いで練って持ってきてくれました。

ガラスから透けて見える下地は、タイル用の灰色より白の方がいいという美意識です。

私もそう思ったけど、ガラスの破片は少しだし、わざわざその為に言えなかったのでした。

出来上がると「沖縄のごたるやんの」と言いました。とても遊び心があるおじちゃんです。

あの建具屋とはえらい違いです。

 

最近携わっている職人のおじちゃんも、こんな人です。

「このクロスの色は、なんで黄色にしたとね」

「それを選んだ時2月の寒い季節で、温かみが欲しかったから」

「俺のパワーカラー、黄色と黒よ」

 

そのおじちゃんと、壁のタイル貼りを一緒にします。

キッチン用の余ったタイルや、サンプルのタイル、一旦撤去し捨てられていたのを

救出して洗って回りについた目地を削いでもう一度使うタイル(多くが割れている)を

寄せ集めて創作的な感じにします。割れたものでも上手に並べれば、調和していい感じに

なるでしょう。そういうデザイン心をおじちゃんも持っていて、話していました。

「あと一色あるとよかね」とか、言うことが粋です。


  
 ↑ 拾って救出してきたタイルのうち割れていないもの。

   
出窓のところに敷き詰められた古い石タイルは破壊せずにそのまま残すとした私の考えに、おじちゃんはすぐに共鳴した。際にモザイクタイルのサンプルを並べた。

   
  余ったタイルやサンプルを寄せ集めて。
 


この2人の職人さんには共通点が他にもあって、聴こえているのに聴いてくることです。

例えば、「めちゃいい感じ」と私が言うと、「あ?」と言ってもう1回言わせてきます。

「なんでもできるとね」と私が言うと「誰がや?」と。目の前にはあなた以外いないのに。

2人はとても似ています。

 

そのおじちゃんは色んな店舗を作った人で、彼の作品の和食処に連れて行ってくれるそうです。

彼は、誇りをもって仕事をしている職人さんです。

 

 



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