療養施設のベッドから。
私のベッドは窓際で、糸杉がたくさん見えて、向こうには山と空が見える。よかった。カーテンは、細かいストライプの入った白いレースと、ミルク感のあるまろやかな薄黄色の医療用カーテンの二重。このクリーミーな黄色いカーテンはとても好き。
廊下は腰壁で、腰下は薄い明るい色の木風で、上はアイボリーのクロス貼り。カーテンは、自然素材のような感じの黄色いボーダー。天井は、吉野石膏ソーラトン。白い釘で直張り。
消灯後の廊下は、薄柔らかいオレンジ色の照明が一定間隔で点いている。
さっきは日の入りの窓を向いて夕食を食べた。
夕日の光が、白いレースカーテンに差して窓辺がキラキラしていた。とても綺麗。私は、両開きのうち片方のカーテンを開けて、ガラス窓だけにしてみた。
すると、レースが間になくなって、直に夕日が差す窓辺は、思いの外、さっきより暗く寂しい風情になった。
レースをやはり戻してみると、いっぱいに光が満ち溢れる窓辺に戻った。
とても面白い発見。
間にワンクッション入れた方が、直のものより綺麗だったから。
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贈与と返礼。あの年下の先生は、彼への寄付にかかる税を「贈与税」と呼ぶのが気に入らないかしら。
寄付は、彼による贈与への返礼なのに、それを贈与と呼ぶのは。