ブリヂストンA工場で働いて、私が見たもの、私がしたこと、私に起きたことを発信します。

長所と短所は表裏一体

2019-06-25 | 建築・インテリア

古いアパートのすすめを書いていて想い出したのが、映画「舟を編む」です。

自然素材でできた古い木造家屋のよさを味わうにはこの映画がお勧めです。

打ち込みのエレクトロミュージックを作るお兄さんの家もこんな風で、

彼の仕事部屋にはMIDIなどのたくさんの電子機器が置いてありました。

あの水色の突起は、きっと、お風呂場ですね。とてもいい感じです。

雨が降っている時は、トタン屋根に打ちつけて、響きそうです。私は雨の音も大好きです。

 

伝統的な日本家屋のよさは今の季節が一番感じるのではないかと思います。

梅雨時期は湿気で、雨戸や扉が開けにくくはあるけれど。雨戸も扉も、普段使わないから滑りが悪くなります。

日頃使わないと、いざ使う時に非常に骨を折ります。 

 

古い日本家屋である私の実家は、冬になると隙間風で寒いです。筑後弁で「しるしい」と言います。

建築家のおじちゃんは、冬場は晩に雨戸を閉めるとだいぶ寒さが違うと言い、日頃から雨戸を活用すれば滑りもいいと言いました。

自然を隔絶しようとされておらず、一体となった造られ方なので、今流行りの高気密の反対です。

今は、家全体の隙間が名刺1枚分より少ないなどと言って、ハウスメーカーが競争し合っています。

おじちゃんは「私に言わせれば ばか」と言われました。

 

「家のつくりようは夏をもって旨とすべし」 徒然草より 吉田兼好

 

うちは、窓も多くて気に入っています。自然光がたくさん入ると電気を使わないし、

心が満たされます。寒いのは、隙間以外に窓から冷気が入ってくるし暖気が逃げて行くからだそうです。

でも窓は好きだから、減らしたくはない。おじちゃんは、受け容れろと言います。

いい所と、それによる悪い所は 裏表だから 受け容れろって。この家は、今の季節最高で冬しるしい家なんです。

そう言いながらも、冬しるしくないように、設計工夫してくださっています。

 

あと、すべてを叶えようとして快適にしたら、人間の体は甘やかされて不健康になると言っています。

現に、現代人はそうなっていると。本来当たり前であるのが、「快適」のもとに捻じ曲げられて、外の施設でその

「快適」のあじをしめて「それが然るべきだ、自分の家もそうでなければならない」と思い込んで、

捻じ曲げられた家が建っていると言っていました。例えば、病院で1ヶ月入院していた人が、家に帰って「寒い!」

と言って、病院の環境コンディションのように家もあらければならないと思うことです。

薬と同じで、いらんことをしたら全体がおかしくなって、別の色んなとこに不具合がきて

またそこに対応して、と愚かなイタチゴッコだといつも言っておられます。

 

 


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