ハリソンさんはカノ紳士 ーフランス通過編 ー(後半)

今は昔の18世紀欧州が舞台の歴史大河ロマン。

27-6 これはいわゆるひとつの非・正統派歴史漫画

2023年11月19日 | 第27話 月明かりの下で



 前半第10話「波乱の親睦会」予告編で
〈現在、心理学や精神・神経医学は
ジャンルとして確立していますが、
18世紀の頃にはまだ
宗教や哲学や芸術などと
はっきり枝分かれしていませんでした。〉

とあるのですが、

 他にもまだいろいろと
分離していない
ジャンル同士がありました。

 そういう事もあって、
21世紀なら
「それとこれとは別バナでしょ?」
ってのが二百数十年前の
欧米ならそうはならず、
ルソーさんが異端宣告でお尋ね者。
それをヒュームさんが
必死に助けようとしてるのを
ウォルポールさんが横にいて、
「フンッ!」てな感じで
眺めてるなんて事も起こるのでした。

 まぁ、後は
ローレンス・スターン師に
殺意を持つ人
がいたりとか?

 マルセルは顔の作りが
似てるのもあってか?
ホテルの料理人兼ウェイターの
ユベール君と仲良くなってます。

 一方のハリソンさんは
これから中段のコマの方々と
〇〇と□□が分離してない時代には
ヤバ過ぎなトンデモ討論で
大盛り上がりする事となるのです。

 中世〜17世紀が舞台の
真面目な歴史漫画なら全く、
登場人物が死罪や投獄・拷問に
追い込まれてるかもよ?!

 本当に現代の日本なら
「信じるか信じないかは
あなた次第」
で済む話なのにね。



27-5 暗雲が立ち込める初戀

2023年11月13日 | 第27話 月明かりの下で



 リュシエンヌは幼なじみの
ヴァンサンの元へとまっしぐら。
後から入って来た
茶色いおじさん達には
挨拶もせず、ヴァンサンへと
嬉しそうに話しかけてます。


 一方のヴァンサンは
邪険では無いにしても、
何か諦念を纏って悟り切った
かのような雰囲気。

 前年にパリで没した人気作曲家
ジャン・フィリップ・ラモーの曲は
マルセルや子供達が
「わちゃわちゃといい気なもんだ」
とか、
斜に眺めての選曲なんでしょうか?

 ちなみにラモーって人、
バイオリンをギターみたいにして
弾いてる肖像画が残ってます。

 この曲のタイトル、
日本では
「ソローニュの〇〇」の形で
様々な訳があるのでした。

 〇〇には
「雛鳥(ひなどり)」
「お人好し」
「抜け目の無い男」
等が入ります。

 原曲はクラブサン
(ハープシコード)用の曲です。
ラモーの曲の中でも
親しみ感がある曲なので、
CDや配信でも
見つかりやすそうです。

 もし、この場面で子供達が
伝ラモー作曲のあの超有名な童謡
「きらきら星」を18世紀の元歌で
歌い出したとしたら、

ノアイラさんの不安は更に
高まってしまうのでは
無いでしょうか?



27-4 当て馬と噛ませ犬

2023年11月07日 | 第27話 月明かりの下で



 名前を聞く場合、
自分の名前を先に
名乗ってから
相手の名前を聞いた方が
失礼だと憤慨されたり
しにくいし、
聞き方が簡単でいい。

Comment vous
appelez-vous?


だとマルセルっぽく無いし。

Votre nom?

だとデノワ氏なら
お客さんにそう聞くん
だろうけど。

 左からラウール、
エリザベート、ノルマン、
ジャン、ジュリ、ニコラ、
クロード、アデル。

 顔が出て無い子も
まだ数人いるけど、
孤児みんなで次の日に
大活躍する事になるので
顔か後ろ姿が出てる子には
名前を与えておきました。

 最後に最年長者で
リーダーのヴァンサン。
英語圏ではヴィンセント、
オランダでは
フィンセントで、
あのゴッホと同じ名前
なんだけど…。

 マルセルと子供達の
急激な打ち解けぶりを
横目に微笑していますが、
どんな子なんでしょうか?

 宿の娘さんの
リュシエンヌは
顔が上気しちゃってます。
前の26話で母親と
推し客活動してる
ってあっても
本命はちゃんといるって?

 ちなみに
「茶色いオジさん達」とは
純潔を誓い、
同じユニフォーム着て
男性同士で団体生活
している全く蚊帳の外の
方々です。

 ハリソンさん、
またしても当て馬 & 噛ませ犬?!


【現在までの成績】

 マリアンヌ・ブルトン ✘
 マリクレール・ルベル ✘
 アラベラ・キャンベル ✘
 ノアイラ・デノワ   ✘
 リュシエンヌ・デノワ ✘

おセンチメンタル・ジャーニー
連敗記録更新中で
今後も増えてく見通し。
😭
 



27-3 都会から来たと思われてうれしがる従者

2023年11月01日 | 第27話 月明かりの下で


 アラベラさんは前半の主要人物。
本後半ブログ中では
情緒不安定と書かれていますが、

ハリソンさんや友人夫婦と
出かける前にも
泣いたり笑ったりで大忙しでした。

 遊園地でのライブや
花火大会では旗振って
キャッキャの大はしゃぎ。




☝️ この絵は前半のあらすじページにも使用しています。


 その何日か後、失踪してしまいました。


 前半でカットになったページ 👇





☝️ このネームを描いたのは私では無く前半の作者です。



 こういう事もあったり、
エクトル氏から貶められたり
した事もあってか、
孤児達から「都会から来た人」
と思われてるのが
とてもうれしかったようです。

 ま、確かにパリには
半月ほど滞在していましたから
全くの嘘でもありません。




27-2 君が消えた日

2023年10月26日 | 第27話 月明かりの下で



 1762年の夏の夜の事。

 ハリソンさんは
当時センティメンタルな
友情を結んでいたアラベラさんや
大学時代からの友人まいけるっち、
彼の妻のベランダさんと4人で
前半第18話にも出て来る
ロンドンのプレジャーガーデン
Fountain & Forest Garden(泉森園)
へと出掛けました。

 18世紀の英国での
sentimentalという言葉、
現在のセンチメンタル(感傷)
とは違う意味を持っていました。

 また、
ハリソンさんとアラベラさんの仲は
不義密通では決して無く、
現代のセカンドパートナーとも
似て非なるものなのでした。