〝厄年〟その4より
〝厄年〟その2において男性の大厄について触れたが、女性の大厄についても触れてみたい。男性の場合42歳を大厄としているところは全県にまんべんなくあり、25歳を大厄としているところがやはり全県に点々とあった。ようは地域性というものは見られなかったわけだが、女性の大厄についてここに図を示してみた。見ての通り、女性についてはここ数回で触れてきているように、「37歳」大厄という箇所が下伊那に集中している。ようは男性の25歳と42歳のようにほぼ全県に当り前に厄年として認識されているのとは異なり、女性の場合は「33歳」厄年地帯と「37歳」厄年地帯が明確に分かれているためにこうした地域性が現れる。もうひとつ特徴的なことは、男性の場合の主たる厄年25歳と42歳の場合の大厄「25歳」は19箇所しかなかったが、女性の場合の主たる厄年19歳と33歳における大厄「19歳」は72箇所もあり、女性の大厄は男性の42歳ほど「どこでも」というわけではないことが解る。図を見ても「19歳」大厄は全県に例が見られる。あえて言えば奥信濃といった北部県境地方には「19歳」大厄というところはほとんど無いようだ。以前にも触れたが、「37歳」大厄が長野市と信濃町に点在しているのは意外なことである。
さて、あきらかに「37歳」厄年に地域性が現れたわけだが、この女性大厄と男性大厄を比較してみようと、両者を同じ図に載せてみた。女性大厄の記号をそのままに、男性大厄の記号を明確にしようと違う系統の記号に変更してみた。とくに気がつく点は2点。1点は女性「33歳」と男性「42歳」はほぼ同じ箇所に整合するということ。裏を返せば男性「42歳」があまりにも一般的だからということになるだろう。もう1点は事例数は3箇所しかないが、男性「25歳、42歳」とふたつの歳を回答した地点では、女性も「19歳と33歳」とふたつの歳を大厄として捉えているいる。回答者に大厄は二つあるという認識があるようにもうかがえ、これらは地域と言うよりは回答者の認識に影響しているようにもうかがえる。
続く