久しぶりにこのテーマで書こうと思う事例に出会った。このところ触れている野沢温泉のこと。野沢温泉のタウンマップというものがあって、今回の道祖神祭りの案内にも利用された。野沢温泉施設マップというものでA3版のもの。おそらくマップが基本形式で今回は裏綿に「ゲレンデマップ2016」というスキー場案内が印刷されている。どたらが表でどちらが裏かは定かではないが、おそらくこのスキー場案内の面は時によって変わっていくのだろう。野沢温泉観光協会のページに掲載されているマップには背面はない。
さて、とりあえずここでは背面をスキー場案内とするが、ふつうスキー場の案内図は上をもちろん山の上において、下にいわゆるリフト乗り場が描かれる。ひっくり返ったスキー場案内図など見たこともない。これまでも何度も示してきたように、上を山、下に川やマチを描く代表的事例がスキー場と言えるだろう。この配置図に合わせてスキー場から降りてきた里(マチ)を案内図化すれば自ずとスキー場と同じ配置にするだろう。そうしないとイメージが整合しないからだ。したがってまだほかのエリアの図を確認してみたわけではないが、スキー場のメッカのようなところは方位にとらわれずに上に山を置く構図をイメージしているはず。野沢温泉でもこのスキー場の構図に合わせたように、野沢温泉施設マップも作られている。野沢温泉の場合、マチはスキー場の西側に展開する。したがって北を左手に置いて、図が描かれている。図にはメッシュが入れられ、座標形式で場所を示しやすいようにしている。残念ながらメッシュが入っているから正確な図かと思うとそうでもなく、方位はA3版横配置の図に左方向に示されているものの、実際は北が左下に傾いている上に、幹にあたる県道38号に交差する道路が正確に交差せず、少し歪めて図は作成されている。したがって今回も道祖神場から道祖神、そして初灯篭を奉納される方々の家々を回ってみたのだが、図であらかじめ描いたイメージ通りに歩くことがなかなかできなかった。スキー場のリフトの位置関係も含めてマチの中を横版の1枚に収めるために歪めたために、実際とはかなり違った図になってしまっているというわけだ。
いずれにしてもスキー場のある東側を上に配置し、自分たちの生活エリアを下に配置する、いわゆる山から恩恵を受けている地域らしい世界なのである。ちなみに野沢温泉の観光パンフレットを紐解いてみると、「野沢温泉 からんころん」というパンフレットにある図もタウンマップと同じ構図で、同様に歪めて収めている。また「信州野沢温泉」というパンフレットにある鳥瞰図のような図も、上中央に毛無山を置き、下にマチを展開する同様のものである。野沢温泉の人々にとっても、このイメージが当たり前なのだと思う。
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