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伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

野沢温泉の道祖神祭りを訪れて・外篇

2016-01-25 22:40:33 | つぶやき

野沢温泉の道祖神祭りを訪れて②より

 

 少し余談を書こう。

 今回野沢温泉道祖神祭りを訪れて祭りの概要が解るものがないかと言うと、宿のご主人が写真左の「野沢温泉の道祖神祭り」という冊子を紹介くださった。あいにく宿では扱っておらず、翌日観光案内所で手に入れることができたが、宿のご主人曰く「ふだん置いておいても売れないので、見本だけ置いている」らしい。なるほど道祖神祭りで知られてはいるが、それ以上にここは温泉地。そもそもの中心は温泉とスキー場である。ところでこの冊子表紙を除いて31頁とそこそこの厚さ。年中行事である道祖神祭りだけを対象にして編集するとすれば、十分な厚さなのかもしれない。観光パンフレットを兼ねているとも言えるが、祭りの概要を知るには十分な内容だ。歴史的なこと、野沢組惣代のこと、そのほか木造道祖神、初灯篭、社殿、火元もらい、と「これは何」と思う初歩的なことは概観されている。もちろんそれらが写真で紹介されているから、あらかじめこうした冊子で予習しておけば見学ではより深いことを聞いたり、考えたりすることができる。

 写真右手のパンフレットはA3版をふたつ折りにしてもので、冊子の内容をさらに簡単にまとめたもので、英文も付されている。こういうパンフレットはよそでもよく見る。そういえば、ずいぶん昔に故田中義廣先生のところで大償神楽のそんなパンフレットをいただいたことがあった。メジャーな祭りだという証かもしれない。そう考えると、長野県内にはほかにも国の重要無形民俗文化財に指定されているものがあるが、こうした冊子やパンフレットを見ない。かつて遠山の霜月祭りの詳しい案内があったように記憶するが、現在はそのようなものはない。もちろん専門的な報告書的なものはあるが、一般の人でも気軽に手にすることができ、そして意外にしっかり内容が書かれているものはない。流行りの地域づくり交付金なんていうもので作るのは勘弁して欲しいが、こういうものを真面目に作って良いのではないか、そんなことを野沢温泉で教えられた気分だ。いずれも「野沢組惣代」が協力したことが記述されている。さすがに観光地だけのことはあるが、それだけではなかなかこうしたモノは作れないもの。

 さらに余談であるが、パンフレットの写真はよく見るとなかなかの写真だ。実は今年の祭りでこんな写真が撮れたかと言うと、NOだ。社殿に火が入れられこれほど大きな炎が上がるころには灯篭の明かりは消されていたし、そもそもこんなに大きな炎にならなかった。願わくばパンフレットに撮影年を入れて欲しかった。


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