T.Shimada's Diary

日々の話題、過去の話題から。

福鉄電車の現状

2008年05月17日 23時57分20秒 | 福鉄電車
 4/19の渡り線における脱線事故からまもなく1ヶ月。週末、福井鉄道福武線の市役所前駅を訪れた。

 現場の市役所前駅渡り線。写真は武生方面ホームから福井方面ホームを見た様子を示す。事故後、渡り線では国土交通省中部運輸局による調査と、点検・修理が行われており、写真手前の線路部分には黄色い固定具が付けられていた。ただ、事故原因が特定されていないため、福武線では現在もなお渡り線が使用されない特別ダイヤとなっている。また、事故を起こした800形電車についても、事故後の運行は行われていない。


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 一方、福井鉄道の再建問題。今週も小さくながら、地元紙などでその動きが紹介された。

 5/14付けの福井新聞では、県会の新幹線・地域鉄道調査特別委員会の集中審議についての記事があり、沿線3市が県にリーダーシップを求めていることに対し、「上下分離方式による存続支援を決めても、県におんぶにだっこのままでは絶対うまくいかない」との委員の声が紹介された。他の県議からも、他の事業を持つ福鉄そのものでなく鉄道事業だけを沿線3市が責任持つ再生案にせよという意見、沿線市の乗る運動への取り組みも、えちぜん鉄道の場合に比べ熱意が足らない、という意見が出されたという。
(参考:福井新聞 「沿線熱意足りない」 福鉄問題を集中審議 県会特別委

 また、この週末には債権者である福井銀行の声明も発表され、「再建の枠組みが実行できなければ、新たな資金提供できない」とのコメントが掲載された。
(参考:中日新聞 「実行できねば融資ノー」 福銀頭取、福鉄再建の早期着手求める


 一時は電車存続で一致したはずの再建問題。しかし、4月はじめにも地元紙で紹介されていたように、県と沿線3市の認識のズレ、3市の負担割合の未決定、福鉄新体制のも決定、など山積している問題があまりにも多い。親会社である名古屋鉄道は、6月をメドに撤退することをすでに表明している。また6月中には各市での議会に案件を上程し、審議しなければ、福鉄の再建はきわめて困難となると思われる。実際に福鉄電車を利用している住民側は、ほとんどがこういった協議を報道で知るだけであり、電車を利用する以外では、思い切った行動を行うことができない。その中で、福鉄電車が廃線ともなれば、非常に残念なことである。


 リミットであるだろう6月まではあと半月。あまりにも時間がない中、行政側での話し合いの決着はつくのだろうか。それとも、利用者側から思い切った行動を起こす必要があるのだろうか。福鉄電車に関する苦悩は続く。


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