前回、福井鉄道福武線に関して、上の写真に写っている車両(800形電車)がどの方向(福井駅前か、田原町か)を問題とした。ここでは、その答えを示したい。
以下に、上記写真の前後の様子を写した写真を追加し、答えを示す。
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2(出題写真)
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福井鉄道を利用したことのある方ならお分かりだろう。いずれも市役所前駅の様子であるが、1は田原町方面のホームに止まる車両だが、3で武生新・福井駅前方面ホームに移動している。両者のホームは間の渡り線(2の場面)で結ばれているが、福井駅前~田原町間のシャトル電車の場合、まずここを使うことはありえない。
以上のことから、2は「福井駅前に向かう電車」であるということが分かる。
800形はシャトル電車に専ら使用される、という事だけを知っていると、答えは「シャトル電車」とするかもしれないが、要はこういった運用もある、ということである。また、この市役所前駅での写真を出題した意図は、福井鉄道においてそれだけこの駅を経由する電車が多く(武生新行き・福井駅前行き・シャトル電車)、それだけに要であり、一方で各方面の電車が入り交じり複雑である、ということを言いたかったことにもある。
郊外ではそれほど込み入った運行をしている感じを受けない福武線であるが、ここ市役所前駅においては、昼間の時間帯でも各方面の電車が行き交う。昼間時間帯は、大半の乗客が市役所前・福井駅前で乗降する一方、わずかだが田原町方面へ乗り換える乗客もある。
乗降客の比率、あるいは福井駅前経由の方法とシャトル電車併用を考慮した結果、このような運行スタイルになったのだろう。が、シャトル電車が入った分、田原町方面への時間は短縮されるも、他の電車との交換で面倒が生じている面もある。駅前での乗降が多く、また駅前経由よりも田原町方面へは時間短縮されるため、複雑とはいってもこれ以上の改善は難しいかもしれない。