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詩と物語を紡ぎます

向こう側の国

2017-09-06 05:26:00 | daily tsukasa

濡れたアスファルトに『向こう側の国』が垣間見える。それは、水溜まりが仲立ちの、逆さまの世界。車も建物も電柱・電線も、皆逆さま。

水溜まりに立つと、逆さまの僕がおどおどしている。足の裏一面だけの、ふしぎな触れ合いの、異空間。


2017.09.06.
05:26 am

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秋霖

2017-09-06 04:07:00 | daily tsukasa
未明の微睡みを、強い雨音が破った。そこからの『夢うつつ』は長かったのか、それとも――。
まだ暗かったが起き出して、由縁ちゃんを起こさないように窓を開ける。夜の匂いと雨の香りが、雨音を抱いて、あやしなだめているようだ。

あきが、いつたりきたり、きせつのわたりがむずかしい、みたいです。

――ゆかりちゃん?

それが、由縁ちゃんの寝言だと知るまでに、約一分の間を要した。


2017.09.06.
04:07 am

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