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詩と物語を紡ぎます

秋彼岸

2017-09-20 23:35:00 | daily tsukasa

しっとり雲がかった空を見渡していた。それは思いがけず高くて、秋の空なのだ、と思った。

今日から、秋彼岸。

近所の鉢植えに、白い彼岸花、今年も。


2017/09/20
23:10 pm

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心変わり

2017-09-20 01:00:00 | poem

     心変わり



 君の紅い唇がまたひとつ嘘を紡ぐ
 それはこの上なく残酷なテーゼで
 僕の胸の空洞に痛く痛く共鳴する
 うわああああんうわああああんと
 薄ら寒い残響の背中は遠い夢夜の
 地道に証拠固めした無の不在証明

 バカね女ってそういう生き物なの
 溜め息混じりに耳元に囁いた台詞
 女は百パーセント純粋に『愛』よ
 甘ったるくしがみつき呟いた台詞
 甘い責め苦の官能に誤魔化される
 延々と何処までも愚かな夜の歴史

 ねえあいしているのこんなにまで
 (いつたいなんにんのおとこに)
 もつともつともつとそばにきてよ
 (おなじことばをささやいたか)
 あなたがはじめてよこんなきもち
 (いちいちおぼえてはいないわ)

 きょうも『シチヘンゲ』が綺麗に
 心変わりの血まみれスプラッター
 清純な君が薄化粧の下隠していた
 枕絵の捻れ捩れた不可解な体位を
 揺らぎ照らす行灯の明りに浮かべ
 哀しく寂しい恋愛ごっこの結末だ


written
  :2017.09.19.
elaborated
  :2017.09.19.〜20.

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