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詩と物語を紡ぎます

in the evening

2017-09-12 17:00:00 | daily tsukasa

大気の底は濡れたままなのに、宙は青と白とに乾いていく。ただそれだけで感傷的なのは、汗みずくのキミに、ぼくが恋してしまったかららしい。白いブラウスの袖をまくった手を振り、地下鉄の階段に消えていくキミを見送った後、引き裂かれた気分だけが、水蒸気の匂いと一緒に追いかけて来た。


2017.09.12.
17:00 pm

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ゆーうつ

2017-09-12 14:00:00 | daily tsukasa
今日の雨は、波の音がする。
今日の雨は、潮の香がする。

(それは、遠い、夢)。
(何時か、遠い、夢)。

膝を抱えている隣りに、
青い彼女が座っている。

あなた、しようねん、なのね。
きみは、しようじよ、なのか。

きようのあめは、ゆーうつだ。
そんなひも、ままあるのだわ。

肩を抱き寄せられて、胸に顔を埋めた。
青くて、柔らかな匂いに、涙が零れた。


2017.09.12.
14:00 pm

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