V=4/3πr³

詩と物語を紡ぎます

お煮しめ、おはぎ、彼岸花

2017-09-24 23:50:00 | daily tsukasa

姫竹、山菜、きのこに椎茸、厚揚げ、他。ひとつひとつ炊いたお煮しめは、薄味だった。
楽しみのおはぎは、大き過ぎず小さ過ぎず、甘過ぎず。
どちらも、大好きなおばあちゃまの味だった。

秋のお彼岸中日、お供物を家紋入りの重箱に詰めてのお墓参りは、お盆と違い、しめやか、だった。

お寺の脇の祠には、地獄の責苦のお人形たち。
(ああ僕も、ぢごく、に落ちるのだろうか?)

その傍らには手を振るように、彼岸花が風に揺れていた気がするのです。


秋彼岸の、ささやかな、思い出、です。



2017.09.24.
23:50 pm

**

水面の森

2017-09-24 23:10:00 | poem

     水面の森



未だ明けない朝の向こう側に
昨日の雨の記憶が生々しい淵に
水面の森は密やかに佇むと云う

それは見た目に違って広くて深い黒い樹海でその畔には透けた深い湖があり嗜眠した笛と貴女が延々と漂って

いると 聴いた

杉の古木の根元には、
貴女の衣服とひと箱の煙草と一本の吸い殻が
つい十秒まえに設えたかのように

丁寧に揉み消された一本の吸い殻の脇に
上着から下着まできちんと畳まれて
其の上に十八本の煙草の入った箱が

居心地悪そうに置かれている

わたしもまた貴女に倣って
煙草を吸い衣服を捨てて小舟を浮かべ
笛を吹かなければならない

(乙女を気取る年齢でもないのだし)
(なにより疾うに乙女は捨てました)

そのために
水面の森に踏み入ったのだから

(此処に来たのはそういうことです)
(ほおら聴こえて来たあの笛の音が)

まだまだわたしのはだは
すべやか? だろうか?

だとしたら
『孤独であること』
『未熟であること』

詩人の由縁であるだろう

笛の音のあまりに透明な調べに
空は到底耐え切れないのだから

また雨がぱらつきはじめた

わたしは濡れて
湿った小舟で湖に漕ぎ出す
雨が止む ま  え   に


written , elaborated
   :2017.09.24.

**

せんかうはなび

2017-09-23 23:50:00 | poem
     せんかうはなび



ひばなぱちぱち あのひとと
けふでまるまる なのかかん
かんがへないと なかなほり
うまいこうじつ ないですか

ひばなぱちぱち あのひとが
けふこうゑんで ごごしちじ
そつけないふみ よこしたの
なりゆきまかせ こうなれば

ひばなぱちぱち あのひとは
せんかうはなび さしだして
なつののこりの しおさめと
ふたりならんで ひをつける

ひばなぱちぱち わたしたち
せんかうはなび みたいかな
おもふきもちの ひのたまが
ときどきぱちり やらかすの

ひばなぱちぱち もえつきて
なみだほろほろ ごめんねと
わたしあなたの うでのなか
あなたわたしに あついきす

こんやはきみを かえさない
なかよしこよし あついよる



inspired
   :かすみ草『事情の足し算』
written , elaborated
   :2017.09.22.〜23.

**

はざま

2017-09-23 00:00:00 | daily tsukasa

今日の雨は午後から降り始め、
しばしば烈しく、叩きつけた。

明日の雨は午前中降りそぼる、
少し、やさしい雨、らしくて。

その、はざまの、今、小雨は、
疎らなあし音の、こもり唄を、

唄っている。


2017.09.23.
00:00 am

**