夢じゃなかった！

3月16日朝、
前日の雪解け水の浸水のあと、
窯小屋のドアを開けるのがいやでした。

ふだんの浸水の時でも20cmぐらいまで水が上がっていたので、なかなか水が引かなかった今回は、電気系統の部品のところも水に浸かってしまったんだろうな･･･と思っていたので。

祈るような思いでドアを開けたら、予測通りの結果が待っていました。

どうしよう、私、これから。
いや、今日からどうやって生活して行けばいいんだろうって考えると、足がすくむ思いでした。

ほんとにね、崖っぷちに立っているみたいでした。
崖の上のポニョじゃなくて、崖の上のミホね。あんまりかわいくないね(笑)。


それからいろんなことがあって、いろんな人に会って、心ない言葉に傷ついた日もあったし、新聞に折り込まれて来る求人広告を真剣に見た時もありました。

でも、たくさんの方から「ありすcafeを続けて」とエールをいただき、折れた心を何度も何度もつなぎ直していただき、この仕事を続けて行くことを決めました。

18年間働き続け、素焼き本焼きの回数を合わせると800回を越えていたMr.カマーの引退を決め、2代目の窯の見積もりを、と思って来ていただいたら、

「僕、これ、直せます。」って。

な、何ですと～!?

だって、その日から小屋の撤去作業を始める予定だったの。

「私、もう廃棄って思ってたから、みなさんに、この窯で焼いた作品はこれで最後ですってお知らせしたら、たくさんの方がお買い物してくださって。
(その時駆けつけてくださったみなさん、本当にごめんなさい！)
これって、窯ダメダメ詐欺になっちゃいますね。」

と言ったら、その方、

「じゃ、詐欺の片棒担ぎますか。」って。

で、担いでいただきました。


昨日、とーっても寒い中、お手伝いの方とおふたりでまっ黒になりながら1日がかりで作業をしてくださり、バージョンアップしたMr.カマー・Ⅱが誕生。

作業を終えたおふたりのうしろに、スガシカオさんの「Progress」(NHK総合テレビ・「プロフェッショナル～仕事の流儀」のテーマ曲)が聴こえるようでした。

HAPPYなHAPPYな13日の金曜日でした。


そして今朝。

窯小屋のドアを開けるのがいやでした。

やっぱり夢だったらどうしようと思って。

でも、夢じゃなかった(感涙)！

それでは生まれ変わったMr.カマー・Ⅱの光輝く姿をご覧ください。



新品みたいでしょう？

イケメンになったMr.カマーに、なんだか照れちゃう私です(笑)。

仕様変更をしていただくだけだと思っていたし、それだけだって本当に嬉しいしありがたいことなので、まさか全塗装やその他の細かいところまで手を入れていただけるとは思っていなかったので、大大大感激でした。

まだ2回しかお会いしていないけれど、2回ともびっくりぎょーてんさせられた、
陶人社さん、マジすごいです(使い慣れない言葉だけど、ほかの言葉が出て来ないくらい、すてきなお仕事ぶりでした)。
感謝！

応援してくださったみなさん、ご心配をおかけしました。
本当にありがとうございました。

さぁ、うつわいっぱい作って焼かなくては。
その前に新しくなった窯の仕様のお勉強ね。
がんばる～。

今日はもう、リップルさんに粘土を堀りに行って来ましたよ。

ありすcafe第2章、始まります。
coming　soon･･･
待っていてくださいね。